断腸亭料理日記2005

浅草・洋食・ぱいち

5月13日(金)夜

読者の方から、手頃な値段のビーフシチューの店を、教えて欲しい、
との、コメントをいただいた。

牛テールシチューの例はあったが、
(根岸(鶯谷)の洋食の香味屋浅草のカプチノ

この日記で、ビーフシチュー、を書いていなかった、と、
いうよりも、このところ、食べてもいなかった。

さてさて、安くてうまい、ビーフシチュー、とは、
難しいご注文をいただいた。

と、いうことで、ビーフシチューである。

洋食屋。

地元浅草だけでも、あらためて、数の多さに驚く。
書いているだけでも、ヨシカミ、グランド、佐久良、、、。

そして、ビーフシチューというと、そのものを看板にしている店もある。

今日の、ぱいち、と、もう一軒、フジキッチン

浅草も観音様、仲見世のあたりは、正直にいうと、筆者はあまり、行かない。
もちろん、全部が全部ではないが、観光客をターゲットとしているのか、
有名店、老舗でも、クエスチョンマークが付くところがあるのも、
事実である。また、夜も、比較的早い。

この、ぱいち、フジキッチンは、どちらも、そのエリアにある。
もちろん、知ってはいたが、入ったことはなかった。
(ビーフシチューの価格は前者が、¥1800、後者が、¥2500。)

営業時間が21:00までと、比較的遅い、ぱいち、へ、行ってみる。
場所は、雷門通りから、オレンジ通りを浅草公会堂へ向かって、
一本目を左に入った、右側である。

格子を開けて入ると、右側にカウンターと、
左側に座敷。
ちょっと見には、居酒屋の趣き。
カウンターも座敷も、ほぼ満席である。
客層は、サラリーマンと、おばさん。

昭和11年開店という。浅草では有名店、老舗といってもよかろう。
看板には、ビーフシチューとサラダの店、と、書いてある。

ビールと、ビーフシチューを頼む。

周りを見ると、串カツ、メンチなど揚げ物を頼んでいる人も
多く見かける。

ビールを呑みながら、待つ。

木製の鍋敷きが運ばれ、その上に、鉄鍋に入った、
ビーフシチューが、置かれる。


野菜は、にんじんと、じゃがいも。
肉が柔らかいのは、いうまでもない。

ソース。絶品とまではいかないが、
バランスが取れており、悪くはない。

こんな場合、単純にコストパフォーマンス、をいうのも
どうかとも思うが、この味で、¥1800、と、いうのは
順当、もしくは、安い、ともいえるのではなかろうか。

このまま、ご飯にかけている人もいる。

東京の老舗洋食屋、決して、安くはない。
そして、その中でも、また、上下ある。

毎度書いているが、絶対的にうまい、というものは存在しない。
また、当然、価格が高ければ、うまい、と、いうものでもない。
店の持っている、歴史、客層、そして主人、料理人、店員のサービス、表情、
動き、などなど、料理と合わせてトータルで、居心地がよいかどうか、
また来たいかどうか、と、いうことであろう。
これは、人によって違ってしかるべきであろう。

ようは、好みである。

決して悪くはない。うまい。公平に見て、
気取らず、よい店であると、思われる。
浅草にこの店しか、洋食屋がなければ(あり得ないが)
間違いなく、通う、であろう。

しかし、浅草には、いかんせん、豊富に洋食屋がある。
この近所であれば、筆者は、ヨシカミの方に、居心地のよさを感じてしまう。

皆様の好みでご判断されたい。


住所 東京都台東区浅草1−15−1 

電話 03-3844-1363





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