断腸亭料理日記2005

鯵のたたき

5月14日(土)夜

久々に魚をおろす。

以前は、随分、自分でもおろすことも多かったが、
このところ、しばらく、機会がなかった。

もとより、魚をおろすこと自体が、目的ではない。
刺身。鯵である。

御徒町・吉池で魚を見ていると、
「鯵がうまいよ〜〜。脂がのってるよ〜。」

なにか、惹かれてしまった。

三重産、一匹¥120。ちょっと大きい長崎産、¥250。

¥120のにする。三匹。

ついでに、安いので、ボイルほたるいか、¥200。

鯵は、1年中あるが、どちらかというと、
やはり、夏なのであろう。

筆者、鰯、鯵、鯖などなど、青魚は好物である。

なにしろ、安いのがよい。
そのうえ、脂があって、うまい。
生臭いことすら、青魚の魅力の一つである。

三枚におろす。

まず、頭を落とす。
腹を上にし、頭を左にして置く。
えらの右側、まっすぐよりは若干角度を付けて、
左斜めに出刃(デバ)を身の半分ほど入れ
ひっくり返し、もう一度刃を入れ、完全に落とす。

腹を裂く。
今度は、尾を左、背を上にして置き、
頭の方から、腹に、刃を入れ、腹を開く。
はらわたをきれいに出す。

流水で、腹の中をきれいに洗う。
この時、背骨近くの血合い、血液も指の先でこすり、きれいに取る。

次に、片面ずつ身を外していく。

尾を左、背を手前に置く。
上になっている身(み)を骨から外す。

左の手のひらを、身の上に乗せ、押さえ
右側の断面の骨と上の身の間に、刃を入れ、刃の先端は中骨あてながら
尻尾まで背側を切っていく。

そして、腹側。中骨から下の腹骨部分は、既に切った背側の身をつまみ
身を持ち上げながら腹骨と身の間に刃を入れ、
それも、腹骨側に刃を向け、身から骨を外す、気持ちで切る。
この気持ちが大事である。身側に刃が向くと、当然、骨に大量に
身が残ってしまう。もったいない。これを、大名おろし、などという。
(鯵ごときで、ここまで、丁寧におろすこともないのであるが、
鯛でも、なんでも、大きな魚になっても、要領は同じである。)

腹骨が外れれば、あとは、尾まで一気に切る。

これで、二枚。

次に、外した側の身を伏せ、先ほどと、同様、
尾を左に置き、同じ要領で、骨を外す。

最後に、腹側の頭寄りの骨のある、胸鰭付近を、斜めに落とす。
ひっくり返し、頭側から、一気にためらわず、皮を剥く。

(魚のおろし方を文章のみで書いて、
はたして、伝わるのであろうか・・・。)

三匹すべてをおろし、終了。

大きく切って刺身とするか、たたきにするか多少迷う。
刺身は、より新鮮である方が、よい。

たたきにしよう。
長ネギを大量に微塵切りにし、細かく切った鯵と和える。

中骨は塩をし、こんがりガスで焼く。
薬味の、しょうがをおろす。


完成。

食べる。

魚屋のいう通り、脂があって、なかなかうまい。

中骨なぞは、骨だけだが、
焼いていてもジュウジュウいうほど、脂がある。

昨年作っているが、鯵は、煮びたしなぞも、うまい。

鯵たたき、うまかった。

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