断腸亭料理日記2004

浅草・イタリアン・カプチノ

5月5日(水)第二食
連休最終日。

かなり寒い日になった。
天気も悪い。雨こそ降らないが一日どんよりしていた。

さて、今日は何を食おうか。

妻が、イタリアンという。
近所では、吾妻橋のラナリータが好きである。
(味もさることながら、浅草、隅田川が見下ろせる眺めである。)

しかし、今日は前から気になっていた、馬道のカプチノを開拓しようと思う。
馬道沿い、言問い通りの交叉点の手前、北へ向かって、左側。
おでん屋、丸太ごうしの隣である。

今、下町のイタリアンとして、いろいろなところに紹介されている。
昭和45年創業というからイタリアンとしては古い。

隣の丸太ごうしには何回か来たことがあったが、こちらは知らなかった。

「冷製ほうれん草のスパゲティー」というのがうまいらしい。
この前の、京城苑の例もある、一応、TEL予約。

7時、入ると、なるほど、予約して正解だった。
満席である。

客層は、浅草である。
連休最終日のため遠くから来ている人は少なそうである。
(会計をするのに「お勘定!」と、
叫んでいるおばさんがいるのは、浅草である。)

コースはなく、すべてアラカルト。

ビールと、ソーセージ、アンチョビのピザ、かの、ほうれん草のスパゲティー
牛テールのシチュー、サラダ。

すべてうまかったが、やはり、ほうれん草のスパゲティーが秀逸であろう。
なぜか、パスタなのに最後に運ばれてきた。

ほうれん草を練りこんだ、生スパゲティーを茹でて、冷やし、
にんにくベースのソースをからめたものなのだが、これがかなりうまい。
ケシの実とアーモンドスライスがあしらわれている。

問題は、ソースである。
なんの味なのであろうか、にんにくベースということはわかるのだが、
他にもいろいろなものが入っていると思われる。
どこかで食べたことのある味なのだが、どうしても思い出せない。
よく、味わいながら、何回も口に入れたのだが、どうしてもわからない。

かなり、癖になる味である。

また、牛テールシチューもうまい。
(シチューといっても、洋食のシチューではない。
タンシチューのように肉を食べる方のシチューである。)
当然、テールのゼラチン質がとろとろに柔らかく煮込まれ、
さらに、赤ワインベースのソースにとろみとして、溶け出している。
なにか、幸せになれるような、味である。

今まで、近くにいながらこの店を、知らなかったのは、
かなりの、損をしていた。またまた、来よう。



TEL 03-3842-1793
〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目32−12


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