断腸亭料理日記

三河 岡崎 「まるや八丁味噌」

6月21日(月)その2
提案書の提出先は
愛知県岡崎市にある、「まるや八丁味噌」である。

三河岡崎と言えば、かの若き、徳川家康の本拠であった地であり、八丁味噌産出の地である。

豆のみを使い、赤だし味噌汁に使う、濃いえんじ色の味噌のうち、この岡崎市の八帖町で作られているもののみを、八丁味噌という。

この地には、この「まるや」の他に、「カクキュウ」の2軒の老舗があり、覇を競っている。全国的にはこの「カクキュウ」の方が出回っている。

名鉄東岡崎駅で、営業と待ち合わせ。
車で、「まるや」へ。

地酒の蔵元見学などにもいったことがあるが、
こうした、伝統的な蔵や、大きな樽の並んでいる光景というものは
壮観なものがある。

適度の湿気と、あの、八丁味噌の独特の芳香が、
ぷーん、と鼻に飛び込んで来て、心地良い。

写真の通り、大きな樽に重しの石が積み重ねられている。
時代の重みである。

プレゼンテーションをすませ、
岡崎城の濠端(ほりばた)を通り、駅まで。

岡崎城は、春は桜、夏は花火が名物。
今は、青々とした緑がむせ返るようである。

また、八帖町の隣町は昔、「岡崎女郎」と全国に名を知られた
旧女郎屋町になっており、独特の狭い格子を持つ家屋が、今も残っている。

夜、前回掲載の、「エスペロ」から自宅へ帰り、、
赤だし味噌汁が飲みたくなった。

酔い覚めには、赤だし味噌汁がよい。

鰹節削り節で出汁をとり、
落し卵に、ねぎ。

今日、「まるや」で貰ってきた味噌を使う。

東日本の鰹節の出汁は、香りが主で、コク味には欠ける。
赤だしには負けてしまう。
やはり、西日本の削り節がよい。

なにか、昨日から、提案書作り、岡崎、静岡、
そして、東京、帰宅。

長い二日間であった。

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