断腸亭料理日記

鯵たたき、ひも刺身

7月24日(土)第2食
夕方、例によって歩きながら、落語稽古を兼ね、
立石の魚屋、魚次まで。

相変わらず、下駄履きに、麦藁帽子。

西日が強い。

鯵がうまそうである。たたきにしよう。
2匹、三枚に下ろしてもらう。

それから、赤貝ひも。

妻に言われた、鰻蒲焼き。今日は土用の丑の日である。
何も、今日、食べに行くことも、ない。
安いのを、2串購入。

帰宅
まだ5時だが、待ち兼ねて、包丁を研ぎ、
鯵を切る。1匹と半身。
長ねぎをみじん切り、しょうがを下ろす。

ひもは洗う。
以上。

食べる。
ビールを開け、鯵たたき、ひも(わさびで)。
それから、葉唐辛子、佃煮。

名古屋市内では、こうした生で食べられる、青魚(ひかりもの)は滅多に出回らない。

筆者にとっては、鯵たたきは、子供の頃よりの好物。
刺身の原点のようなものである。

父親は、まぐろの赤身を好んで食べていた。
しかし、赤身は脂もなく、子供にはあまりうまいものではなかった。
もちろん、トロなど食べる、当時、家庭でもなかった。
そんななかで、千葉なぞへ、家族で出かけた、おりであろうか
鯵のたたきを食べ、うまいものであると、感動した。

それから、ひもである。
これは、三十を過ぎて、好きになった。

赤貝は、高価なもの。
しかし、同じ物でありながら、ひもは、安い。
皿の上でも、きゅうりなどが添えられ、でしゃばらない。

この控え目さ、が、妙に、よい。
なにか、刺身のなかでも、特別、粋な存在に思える。

筆者にとって、この2品は、刺身の定番中の定番。

鯵たたき、と、ひもの刺身が、ゆっくり食える、幸せ、である。

この後、飯を炊き、うな丼と、吸い物。
 
 

※平均点 2.559 合計34人

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