相変わらず、下駄履きに、麦藁帽子。
西日が強い。
鯵がうまそうである。たたきにしよう。
2匹、三枚に下ろしてもらう。
それから、赤貝ひも。
妻に言われた、鰻蒲焼き。今日は土用の丑の日である。
何も、今日、食べに行くことも、ない。
安いのを、2串購入。
帰宅。
まだ5時だが、待ち兼ねて、包丁を研ぎ、
鯵を切る。1匹と半身。
長ねぎをみじん切り、しょうがを下ろす。
ひもは洗う。
以上。
食べる。
ビールを開け、鯵たたき、ひも(わさびで)。
それから、葉唐辛子、佃煮。
名古屋市内では、こうした生で食べられる、青魚(ひかりもの)は滅多に出回らない。
筆者にとっては、鯵たたきは、子供の頃よりの好物。
刺身の原点のようなものである。
父親は、まぐろの赤身を好んで食べていた。
しかし、赤身は脂もなく、子供にはあまりうまいものではなかった。
もちろん、トロなど食べる、当時、家庭でもなかった。
そんななかで、千葉なぞへ、家族で出かけた、おりであろうか
鯵のたたきを食べ、うまいものであると、感動した。
それから、ひもである。
これは、三十を過ぎて、好きになった。
赤貝は、高価なもの。
しかし、同じ物でありながら、ひもは、安い。
皿の上でも、きゅうりなどが添えられ、でしゃばらない。
この控え目さ、が、妙に、よい。
なにか、刺身のなかでも、特別、粋な存在に思える。
筆者にとって、この2品は、刺身の定番中の定番。
鯵たたき、と、ひもの刺身が、ゆっくり食える、幸せ、である。
この後、飯を炊き、うな丼と、吸い物。
※平均点 2.559 合計34人
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