断腸亭料理日記2025

断腸亭イタリアへ行く その21 ミラノ4

4749号

引き続き、ミラノ。

今日はダ・ヴィンチ先生の「最後の晩餐」を見に、サンタ・マリア・
デッレ・グラツィエ教会/Chiesa di Santa Maria delle Grazieへ行く。

ミラノの街の歩き方は、ちょっと難しい。
フェレンツェやパレルモのように歩けるほど狭くはない。
メトロ(地下鉄)に、トラム、バスもあるよう。

ミラノのメトロは5路線あるようなのだが、東京のように
どこでも地下鉄の駅まで10分以内、なんということはない。
どこもけっこう歩く。google mapで出ないので、トラムもバスも
乗らなかったのだが、もう一つ正解がわからなかった。

ただ、ここはモンテナポレオーネ/Montenapoleoneという
メトロの駅にごく近い。これは便利であった。
これはM3線。一つ乗ってドゥーモでM1線に乗り換え、2つ目、
コンチリアツィオーネ/Conciliazioneで降りる。
これがサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会までのルート。

11時、時間厳守で教会前集合とのこと。
ガイドツアーは遅れると参加できないらしい。

9時すぎ、出る。引き続き、こぬか雨という感じで、寒い。

乗り換えがあっても数駅なのでそうはかからなかろう。

モンテナポレオーネ/montenapoleone駅。

ミラノの地下鉄駅は、すべてではないようだが、大きな画面で、
コマーシャル、音付きの動画が大きなディスプレイで流れている。
東京よりも進んでいる?。

モンテナポレオーネ駅の駅名は、ここの通りの名前、
ではあるが、モンテ/monteは山。でナポレオン山?。
由来が気になって調べてみた。

ナポレオンはあの、ナポレオン・ポナパルトでよいよう。
ただ、monteは、元来は人の名前のようで、この通りに、Palazzo
del Monte、例によってモンテ宮ではなく、モンテ館、くらいが
合っていよう、という建物があり、これに由来しているよう。
これがナポレオンのフランス統治時代に、ナポレオンの名前が
付けられたとのこと。

余談だが、ミラノ人は統治されたナポレオンの名前を
そのまま付けておくことがいやではないのであろうか。
これも調べてみると、一概にナポレオンはマイナスの
イメージばかりではないよう。
ナポレオンの生まれはコルシカ島で、今はフランス領だが、
歴史的にも文化的にもフランスよりイタリアに近い。
ナポレオンの統治によってイタリアに限らないが
ヨーロッパでは逆に市民社会意識が高まり、イタリアでは
統一運動になっていったという。イタリア人にとって
ナポレオンは複雑な存在といえるよう。

地図を出そう。

さて。
下車駅コンチリアツィオーネで降りて、地上に出て、歩く。
もうこのあたりは、繁華街でも中心地でもないので、
土曜日の朝の今は、人通りもほとんどない。

ついでなので、ここコンチリアツィオーネ/Conciliazioneの
由来も調べてみた。この駅のある広場の名前のようで、
意味は、調停,仲裁、和解,同意ということのよう。地名にしては
妙に抽象的な意味だが、、それ以上はわからなかった。

お、見えてきた。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。

この前の道路右に、本屋がある。以前にNHKの世界ふれあい
街歩きで登場していたのを憶えている。そういえば、米オバマ
元大統領もここへ「最後の晩餐」を見にきていたっけ。

ともあれ、やはり早くきすぎてしまった。まだ10時前。
いくらなんでも1時間以上前は早い。
寒いし。

さて。
ここ、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。
ここの説明を書かねば。
名前は和訳すると、聖マリアに感謝、といったことになるのか。

レオナル・ド・ダヴィンチの「最後の晩餐」があるので、
この教会もかなり有名。私もある程度予備知識を持っていた。
「最後の晩餐」があるのは修道院の食堂。
従って、あるのはこの教会ではなく、向かって左の別棟のよう。
修道院というのは、前にも書いたが、フィレンツェの
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会もそうであった。
あそこはサン・ドミニコ会の修道院の聖堂であった。
なんと、偶然なのか、ここも同じサン・ドミニコ会で、
教会は修道院付属のもの。

この建物は着工が1296年、完成が1469年。
当時のミラノ公フランチェスコ・スフォルツァの指示という。
150年も掛かっているので、これは完成の頃。
スフォルツァ公爵家の霊廟にするためだったよう。
建築様式はルネサンスではなくそれ以前のゴシックという。
赤いレンガの外観が特徴的だが、ミラノのあるロンバルディア
地方のものらしい。

第二次大戦の爆撃で大きな被害を受けたらしい。今のものは
かなりの部分、修復されたもの、なのであろう。(「最後の晩餐」
は土嚢を積み上げ、守られたとのこと。)
ドイツのケルン大聖堂は有名だが、ヨーロッパでは戦争で粉々に
破壊された中世の教会などを、戦後に元通りに修復している例は多い。
むろん教会は信仰の場であるし、貴重な文化遺産であり、また街の
シンボルであったもの。これを、なんとしても元通りにせねば、と。
我が国だと近年の熊本城だったり、やはり地元の人々の心のより
どころはなんとしても修復せねば、と思う。

ともあれ、とにかく、寒い。
教会の中の方が少し暖かろう。入ってみよう。
ダ・ヴィンチ先生の方は、有料で予約も必要だが、
書いている通り、教会内は、基本誰でも入れる。

中も、多少ましだが、やっぱり寒い。
暖房、つけていないのか、あるいは、ないのかもしれぬ。
カトリック教会には伝統的に質実剛健という哲学はある。
特に教えを広めることが使命の修道院は、そうかも。

祭壇方向。

ここも意外にシンプル。外観と違ってこれはこの地方に特徴的な
ものではないらしいが。
イタリアの教会内部はシンプルなものと、キンキラ、極彩色、
細密彫刻ごてごて、と極端な差があるのがおもしろい。
フィレンツェのドゥーモ、パレルモ大聖堂も中は比較的
シンプルであった。
規模にもよろう。大きなもの装飾するのは金もかかろう。
また、造られた時代の流行、時の為政者の意思、好み、にもよる
のであろうし、また、途中でかえている場合もあるようで、個々
それぞれの理由があるのか。

ともあれ。
教会の脇の通りの向こうに、カフェがあった。あそこで温まろう。

ちょうど、トラムが走っている。

こちらでは、エスプレッソがノーマルだが、苦みはともかく量が少なく、
物足りない。アメリカン/アメリカーノというのもある。
もらってみたが、これ、ただエスプレッソをお湯で薄めただけ。
こりゃ、いけない。

そろそろ、時間も迫ってきた。

 

つづく

 

 

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