断腸亭料理日記2025
4746号
だいぶ長くなっているが、引き続き、パレルモ。
この分だと、イタリア旅行、4月に入りそう。
まあ、よいか。これもこの日記の一つのバリエーションとして、
もうしばらくのお付き合いいただければ幸いである。
さて。
カフェでカンノーリを食べて、真っ直ぐ、海を目指す。
海に出た。
パレルモ港、LA CALA(calaは入り江のよう)。
ヨットハーバーでもあり、漁船もある。
こんなものがあった。
ビルの壁に大きく描かれているイラスト、写真?。
にこやかに微笑む仲のよさそうな渋いイタリア紳士?。
セピア色がちょっと時代も感じさせる。
これ、実は、パレルモ出身で、戦前のパレルモの裁判官二人。
二人は、マフィア撲滅に力を尽くしたが、暗殺に倒れた。
マフィア撲滅運動は今も行われているようで、この
イラストも、その一環。市内でも、度々見かけた。
言葉がなに一つ書かれていないのが、むしろ真に迫っている。
むろん、マフィアはかっこいい存在などではなく、
シチリア、パレルモの人々にとっては今も戦わなければ
ならない対象なのである。
ともあれ。
この港にmercatoがあるのを内儀さんが発見した。
また、例のマーケットかと行ってみると、なんのことはない
港なのでガチの魚市場であった。昼間なので、もう閉まっていたが。
実は、パレルモには生鮮の魚を売っているちゃんとした
mercatoは別にあって、行くのならこちらであった。
地図に入れてあるが、パレルモ大聖堂の南東、バッラロ通り
(V. Ballaro)あたり。またきたら行ってみよう。
さて。港から、ぐるっとまわって、マッシモ劇場前
まで、戻ってきた。
このあたりで、昼飯を食おう。
書いているように、このマクエダ通り、Via Maquedaには
飲食店が並んでいる。比較的、観光客向け、か。
14時ちょうど。
目に付いた、道路にテーブルを出しているトラットリア。
[Pizzeria Trattoria Al Capolinea]。
例によって、調子のよい小父さんの呼び込み。
座ってみる。
ビールはモレッティ。
グリシーニとパン。
これはデフォルトで出る。
スパゲティーと内儀さんはブッラータチーズのサラダ。
ブッラータは最近は日本にもあるのでご存知の方も多かろう。
モッツァレラに見た目も似ているが、同じ生チーズ。
表面が皮のようになっていて、切るとドロッと、濃厚な
生クリームが出てくる。
と、おじさんは、ブルスケッタも頼め、と、押し売り。
まあ、よいか。(ただ、この調子のよさ、気を付けなければ
けいないのではある。後でわかることになるのだが。)
ブルスケッタ。
まあ、こういうものは、まずいわけがない。
スパゲティーがきた。
え?!。いかすみ。
実は、メニューは英語版であったが、面倒なので、テキトウに
指差し魚っぽいものを、コレ、といって頼んだのであった。
まあ、こちらのスパゲティーならテキトウでもはずれないだろう、
と、メニューガチャ。
まさか、いかすみとは、思わなかったが、
ガチャにしてよかった。頭になかったメニューである。
Spaghetti al nero di seppia。これがイタリア語の
いかすみのスパゲティー。neroが黒、seppiaはセピアかと
思うと、左に非ず、(甲)いか!。ただ、いわゆるセピア色の
語源だそう。ともあれ、nero di seppiaで、いかすみ。
いかすみのスパゲティー。まあ、間違いはない。
うまい。いかすみのスパゲティーというと生ぐさかったり、
にんにくが強いものもあるが、これはよい塩梅。
緑色はイタリアンパセリ。
いかすみのスパゲティーは、パレルモ、シチリアではなく、
ヴェネチア発祥とのこと。これは知らなかった。
日本ではいかすみ自体は積極的には食べないとは
思うが、塩辛、沖漬けなど、かまわずいかの内臓と
一緒に食べてしまうことはあるか。
イタリア人以外でこの黒いスパゲティーを積極的に食べる
国民は日本人以外にはいないのかもしれぬ。
内儀さんのサラダ。
私は食べなかったのだが、内儀さんによれば、
なにも掛かっておらず、味がなし。
こちらでは、サラダだけ頼むとこういうことが多いのかもしれぬ。
塩、オリーブオイル、酢などもらって味付けは自分で、と。
フランス人、イタリア人などでは出来合いのドレッシングを
使うことをきらう人も少なくない、と。
食べ終わって、部屋へ戻る。
午後は、部屋でのんびり。昼寝。
パレルモは今日まで、明日、ミラノへ移動する。
夜は、マッシモ劇場へ行ってみなければならない。
書いている通り映画「ゴッドファーザーPART III」の
最も重要な舞台なのだが、そのシーンは夜。昼間はちょっと
ピンとこなかったのだが、夜も見ておかねば、と。
部屋から出て、すぐ。19時。
やはり、いやな予感はしていたのだが、
ライトアップされている。
昼、見た時もそうであったが、これはこれで
わるくはない。いや、素晴らしいのだが、
映画はちゃんと暗い夜。あの暗さがよかった。
残念ながら、あのイメージではない。
ま、しょうがないか。
できれば、適度な街灯程度の光でも見てみたかった。
つづく
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