断腸亭料理日記2024

東上野三丁目・南稲荷町・そば・小倉庵

4683号

11月20日(水)第一食

なんということか。

急にまた、寒くなった。

最低気温、5.5℃(8時10分)で、最高気温が8.8℃(14時04分)。

降りっぽい、曇り。

真冬並みといってよいだろう。
皆さん思われているように、秋がなく、冬へ、そんな
感じであろう。

この激しい寒暖差も、広い意味でいわゆる地球温暖化
によるもの、なのであろうか。
私達の世代は、平年、暦通り、というのを知っているが、
知らない子供たちは、どのように感じているのであろうか。
これが、いつしかあたり前になるのか。
やんぬるかな。

寒いし、遠くには行きたくない。

そうだ!、こんな日は、鴨南蛮。

稲荷町の[小倉庵]、で、ある。

2時前、外を見ると雨は降っていないよう。

今だ、行こうか。

ステンカラーのコートに裏を付け、手袋もして出る。

清洲橋通りを渡って、稲荷町。

下谷神社の裏手あたりだが、言葉では説明できない
路地裏。近くに目印もない、のである。

路地裏だが、店は大きい。

入るとお客は二人、三人。
寒いせい?、わからぬが。

こちらへ、という、お姐さんの言葉に従い、一番奥の
二人掛けのテーブルヘ。

お姐さんが、グラスに入った水を持ってきてくれると
迷わず、鴨南蛮で!。

ややあって。きた。

太めの自家製粉、手打ちのそばに、
鴨肉が三枚、四枚。
長く切った、ねぎ。

なかなかよい顔をした鴨南、ではないか。

まったく、食欲を誘う。

まさに、冬の顔、で、あろう。

もちろん、鴨南そばとして、ちゃんとうまい。

以前に、鴨南蛮、の、入った俳句を
調べてみたことがあった。

三つ、出しているが、どれもなかなかおもしろい。
鴨南というと、おもしろい句ができるよう。

今回、他にもないか、さらに探してみた。

すると、こんな句を見つけた。


秋風の駅や立ち食い鴨南蛮


これは、昨秋のプレバト。
作者は、なんと、ゆうちゃみ、さん。

私は番組を毎回視ているつもりなのだが、
この回は視ていなかったのか、覚えていない。

この句、なめてはいけない、才能あり、1位、
直しなし、だったよう。

鴨南蛮は、季語であれば、冬だが、この句だと
秋風が季語になるので、これでよいのであろう。

毎度書いているように、私は詩人ではないので、
こんな句はとても考えられない。

なにより、リズム、調べがよいし、キレのような
ものもあるように思う。

そして、やっぱり、鴨南が出てくると、ちょっと
ユーモラスになるのが、不思議である。

駅の立ち喰いに、鴨南はないだろう、と、
突っ込むのは俳句の世界では違うのであろう。


と、いうことで、鴨南蛮で俳句、ちょっと作ってみた、、
のであるが、お恥ずかしい限りのものしか
思い浮かばず、ここに書くのも憚られて、やめた。
おそらく、全部、才能なし。

勉強をすれば多少ましになる?かもしれぬが、
そんな根気も俳句については、出てきそうもない。

いや、その前に、そもそも、こうして駄文を
書き散らすこととはまったく思考のベクトルが
違っているのであろう。
私の思考は詩人ではない?!。

ただ、ちょっと憧れるのである。
俳句ぐらいちょいと捻れたら、なんだか江戸人っぽい
ではないか。

 

小倉庵

台東区東上野3-39-8
03-3831-2660

 

 

 

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