断腸亭料理日記2007
1月5日(金)夜
仕事始め。
官庁やら、金融やら、いわゆる仕事始めは
4日ということになっていると思うが、
筆者の勤める会社の、仕事始めは、今日である。
なぜ4日ではなく、5日なのかはよくわからぬ。
一応、工場のあるメーカーだから、かも知れぬが、
とにかく、昔からそうである。
通常は、9時始業であるが、仕事始めの今日は、8時。
グループを含めて、全国数万人の社員が、
同時に社長の訓示を社内放送で聞いて、という、
日本の普通の会社の正月。
いわゆるお屠蘇気分、という言葉も、最近はあまり聞かれなくなった。
筆者は、仕事始めでも、ほぼ、通常の仕事。
(弊社でも営業などは、得意先への挨拶回りは当然行っているので、
そうした部門では、正月気分、ではある。)
しかし、夕方になると、早起きをした分、眠い。
今日は、いいか。18時過ぎには、帰ることにする。
今日は、気温としては、暖かかったのだが、
久しぶりのオフィスであったせいか、正月で身体がなまっていたのか、
どうも一日中寒かった。
温かいものが食べたい。
そこで、思い出したのが、ボルシチ。
これ、暮れに週刊誌に載っていたレシピなのである。
(週刊ポスト、`07年1/12号)
実は、床屋で待っている間に、見つけたもの。
これは、俳優の石倉三郎さんの「料理事始め」という連載記事。
石倉さんは、奥さんが門仲(もんなか、門前仲町)で、
花菱という小料理屋さんをやられており、石倉さんも
板場に立たれることもある、という。
プロ級、なのだそうである。
この連載も、筆者は知らなかったが、この回で、
19回も続いているようである。
筆者は、ボルシチというものが、特段、
好物のメニューであるわけではないのだが、
石倉三郎さんが作る、というところにひかれた、のである。
そして、簡単そうであること。
ポイントは、トマトジュースを使うこと。
野菜も、じゃがいも、玉ねぎ、ブロッコリー、と、
特別なものは使わない、というところ。
ちょっと、作ってみたくなったのである。
会社帰り、材料を買う。
トマトジュース、トマト、これはレシピでは生であったが、水煮缶。
ブロッコリー。玉ねぎ、じゃがいもは、ある。
肉は牛すね肉、とあったが、カレー用、というのが安かったので
これを買う。
帰宅し、作る。
まずは、ジャガイモ2個の皮をむき、
一個を1/4程度の大きめに切る。
煮込むので、このくらいの大きさがよかろう。
石倉さんのレシピでは、面取りをする、とあったが、
これは割愛。
玉ねぎも、オリジナルレシピは、実は、小玉ねぎを丸のまま
使っていたが、これも探すのが面倒なので、
普通の玉ねぎ二個を半分に切っただけで、いってみる。
ブロッコリーも比較的大きめに切る。
茎の部分も捨てない、という石倉さんの教えは、守り、薄く切っておく。
それから、トマト水煮は、細かく切っておく。
牛肉、カレー用、は角切り、である。
塩胡椒をし、フライパンに油を敷き、表面に強めに焦げ目を付ける。
煮込みの場合、肉の焦げ目付けは、うまさのポイントであろう。
これを煮込み鍋に移し、トマトジュース、500cc、
細かく切ったトマトを入れ、煮立てる。
コンソメ2個、ローリエ2枚。
味見、塩胡椒。
ここに、さらに、玉ねぎとジャガイモ。
しばらく煮込み、煮える時間の早いブロッコリーは最後。
最後のポイントが、タバスコ。
どこで入れるのか、オリジナルレシピは忘れてしまったが、
筆者は、塩胡椒を入れ、味を決めるところで、入れた。
本来ボルシチに入れるものかどうか、筆者はわからぬが、
隠し味、的なものだろう。
辛くなり過ぎぬよう、しかし、辛味は感じられる程度にしてみた。
どうであろうか、簡単である。
野菜が柔らかくなれば、完成である。
(逆に、煮崩れてはいけなかろう。)
トータルで、30〜40分程度で、できた。
そして、レシピにはなかったが、
冷蔵庫に生クリームがあったので、仕上げにかけてみた。
(本当のボルシチは、サワークリーム、であろう。)
ちょっと、肉がしょぼい、が、今日は、まあよかろう。
食べてみる。
これ、はっきりいって、うまい。
身体も温まり、野菜の旨みを丸ごと食う、というものであるが、
やはり、タバスコがポイント。
ようは、じゃがいもやら、玉ねぎの、トマト煮込み、なのであるが、
ちょっと、辛味が加わるだけで、大人の味、というのか、
引き締まった、プロの味、というのか、
そんなものになっているように、思われる。
石倉三郎さん、やはり、なかなかなものである。
(筆者が、生クリームを入れたのも、よかったかもしれない。
ちょっと、こってり感が、やはり加わり、うまくなる。)
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