断腸亭料理日記2006
10月15日(日)夜
昼間は爽やかな気候になってきた。
午後、なにを食おうか、考える。
おでん、にしようか。
そろそろ、おでんの季節である。
筆者にとって、おでんは、銀座のお多幸、で、ある。
東京のおでんというもの、やはり、色が黒くなくてはいけない。
お多幸のおでんを、昨年来、目指しているのであるが、
なかなかうまくいかなかった。
2時過ぎ、ハナマサに、材料を買いに出る。
筆者のような二人の家庭では、大量にできてしまうのが
少し困りものである。
豆腐、すじ、ちくわぶ、つみれ、揚げ。
がんもどき、これは大きいもの。それから、結んだ昆布。
冷蔵庫に、大根、里芋がある。こんなところでよいか。
帰宅。
まずは、大根。
またまた、下煮。圧力鍋である。
大きめの輪切りにする。
先日の反省で、圧力をかける時間は、6〜7分。
水から、煮る。
その間に、大きな鍋に、水(お多幸のレシピは、鰹と昆布の出汁)、
しょうゆ、酒、少しの砂糖。
基本的には、色濃く、甘みもある。
昆布、ちくわぶ、揚げ、すじ、つみれなどを入れ、煮はじめる。
里芋は丸のまま、たわしで洗う。
それから、じゃがいも、一個。
これは、甘みを出すため。
大根の下煮が終わる。
やはり、圧力鍋であれば、このくらいでよいようだ。
大根は鍋の底の方に入れ、今度は、里芋、じゃがいもの下煮。
これも、圧力鍋で短時間。同じく、6〜7分。
そうだ。玉子も入れよう。
茹ではじめる。
圧力鍋の蒸気が抜けるまで待ち、開ける。
じゃがいもが、ちょっと、煮崩れ始めていた。
お玉で取って、そっと煮込みの鍋に入れる。
ゆで玉子もOK。
皮をむき、入れる。
最後に、豆腐。
煮崩れるので、最後にしようと思っていた。
一丁を四つに切って、入れる。
この時点で、1時間ほどはたっている。
最初から煮ている、ちくわぶなどは、
そこそこよい色になってきた。
具材が大分増えたので、味をみながら、
水、酒、しょうゆ、砂糖を足す。
しばらく弱火で煮る。
量も多いので、少し食べてしまおう。
先に入れた、揚げ、ちくわぶ、すじ、つみれ。
冷(ひや)酒。当然、菊正宗。
しょうゆ味の濃いおでんには、菊正宗以外には、ない。
なかなか、うまく煮えつつある。
これは、夜、味が染み込んでからのもの。
上が、里芋、つみれ、ちくわぶ、すじ。
下が、玉子、豆腐、揚げ。
大根も、味が染みて、うまい。
今日は、なかなかよくできた、であろう。
あまからく、濃い目に煮る。
これが東京伝統の、おでんである。
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