断腸亭料理日記2006

末広町・雲南料理・過橋米線

5月4日(木)第一食・夜

さて、課題であった、末広町の雲南(うんなん)料理、過橋米線。

末広町は銀座線の末広町。
住所でいえば、千代田区外神田6丁目。
秋葉原の北隣。増殖するアキバの北辺といった方が、
今、にはあっていようか。

蔵前橋通りと昌平橋通り、
(池之端から、天神下、明神下、昌平橋の通りである。)
妻恋坂交差点の角にデニーズがあるが、その隣り。
蔵前橋通り沿いである。

12時前、例によって、稽古がてら、拙亭から徒歩。

今日もいい天気である。
今週末、6日、7日は、下谷神社のお祭りである。
界隈では、毎年、初っ端。
途中の佐竹など、氏子町では、神酒所の準備などが始まっている。

20分ほどであろうか。到着。

こんな連休の昼も営業している。
ランチメニューもあるようである。

実は、今日の夜、妻と来てみようといっていたのであった。
まあ、その下見、ということでもある。

なんといっても、ここの売りは、店名にもなっている、過橋米線。
そう、過橋米線、とは、店名でもあるが、メニュー名でもある。
ビーフンとは少し違うらしいが、やはり米の麺料理ということである。

そもそも、雲南、とは、どこか?。

雲南省は、中国の西南端、内陸部。
四川省の南、ラオス、ミャンマー、ベトナムに国境を接する。
気候は亜熱帯。雲南といえば、
照葉樹林(しょうようじゅりん)文化といわれ、
日本の縄文時代の農耕文化の原点では、
という説もあるほどに、日本の生活文化に似た部分があるという。
(と、学生時代、勉強したことを思い出す。)

ともあれ、ランチ。

四川の南であるからか、麻婆豆腐、もある、のか。
売りの、過橋米線は、取っておくとして、麻婆にしてみよう。

(ちょっと、ピンボケ。)


ちょっと色は濃いが、見た目は普通の麻婆豆腐である。
食べてみる。

いや、これはすごい。
かなりの量の花椒と、ラー油。
また、甘味もある。しかし、この甘味に、くどさ、はない。
なんであろうか、甜麺醤ではないかもしれぬ。
これが雲南風、と、いうことだろうか。

汗だくで食い終わる。
なかなか、強力な、麻(マー)と辣(ラー)であった。

腹ごなしに、中央通りをアキバを突っ切って、神田まで。
帰りは、銀座線で帰宅。


さて、夜である。

今度は、妻と共に来てみる。

青島ビールをもらう。
茹でピーナッツがお通しで出る。
微かに、花椒であろうか、八角であろうか、あるいは両方か
なにか、香りがする。けっこううまい。

つまみが安い。
一品どれでも、¥298。

ガツの和え物、きのこ、などもらう。

きのこ、というのは、日本でいう椎茸が出てきた。


これが、濃い味ではないが、なかなかうまい。
ふくめ煮、なのであるが、何で味をつけているのであろうか。
椎茸らしい味だが、むろんのことそれだけではない。
よくわからぬが、うまい。

さて、料理。
過橋米線、は最後にするとして、
ご店主に、お勧めを聞いてみる。

この店は、雲南料理であるが、薬膳、というのも看板にしている。
雲南料理でよく使われる土鍋のようなものらしいが、
気鍋(チーダォ)というもので作る、薬膳スープ。
「薬膳気鍋鶏」。天麻、当帰、三七、という薬草が入っているという
鶏のスープ。

それから、「真(字としてはサンズイのついたもの)味水煮牛肉」。
きのこ炒めという「野生黄牛肝菌の炒め」。
雲南料理では、きのこはよく使う食材らしい。

まず「薬膳気鍋鶏」。


鶏は烏骨鶏であるという。
スープは白濁した、塩味。
なんと、烏骨鶏の黒いトサカも入っている。
それから、先の、漢方薬なのだろう、黒白のきくらげ、
や、名前のわからぬ、きのこなどが入っている。

「真味水煮牛肉」。


運ばれると、ご店主に、かき混ぜられた。
この写真はその後。
ラー油が浮いて、真っ赤なスープ。
水煮、という名称からは程遠い。すごいことになっている。
入っているものは、もやし、小松菜(?)きくらげ(白、黒)、
その他のきのこ、牛肉など。

食べてみる。

む。これは、これは、うまいぞ。

辛いのだが、うまい。
昼食べた麻婆の、あまい、というのか、旨みの部分を
もっと厚くしたような味。
味噌のような発酵調味料なのか、よくわからぬが、ピーナッツ、
胡麻なども入っているのであろう。
また、麻婆よりも花椒は少ないが、それでも妻にいわせると
随分入っている、と、いう。
(筆者は花椒の「麻(マー)」に、ある程度慣れてしまっているようである。)

白飯が欲しくなる味であると、妻が飯を頼む。

確かに、これは、飯にかけてもうまい。

うまい、うまい。実にクセになる味である。

「野生黄牛肝菌の炒め」


これも黒白のキクラゲ、その他のきのこの炒めたもの。
さっぱりしているが、なかなかよい味付けである。

これで、終了。過橋米線、まで、たどり着かなかった。

しかし、大満足。

ビールと花椒の「マー」のせいであろうか。
頭がぼんやり。

雲南料理店・過橋米線、ちょと、今まで食べたことのない味。
その上に、クセになる。
また来よう。


ぐるなび



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2006