断腸亭料理日記2006
3月22日(水)第一食
今日は休みを取って、胃カメラ。
(とはいっても、夕方、外せない打合せができ、
その時間に合わせて出ていかねばならなくなったのだが、、。)
胃カメラは、治ったことの確認のための、検査、で、ある。
場所は多摩地区の、とある大学病院まで。
駅から遠いので、車。
11時からであるため、朝からなにも食べられない。
水のみ。
結局、終わったのは、2時前。
さて、なにを食べようか。
昼間、自由に動けて、時間があるのは
このところ、あまり外出のできない日が
続いていたので、貴重である。
何を食べようか、つらつらと考えていたのだが、
やはり、こんな機会にしかいけない、
と、いえば、路麺。
(「路麺」とは、チェーンでない、立ち喰そば屋のこと。
筆者が作った言葉ではない。
道路に面した麺屋、と、いうような意味であろうか。
安くベラボウにうまい店が多く、一部には熱狂的なファンが
いる。もちろん筆者もその一人である。路麺 )
働く男たちの朝と昼の腹を満たすのが路麺である。
営業時間は、朝は早いが、夜も早い。
また、土曜休みのところも多い。
昼、自由に動ける時間があることは
路麺を愛する者としては、貴重なのである。
そこで、なかなか行けない、三崎町のとんがらし、で、ある。
三崎町は、千代田区三崎町。最寄り駅としては、九段下か、水道橋。
旧町名は神田三崎町。ここに“神田”の冠が付くのは、
神田区であったからのようである。
しかしまあ、一本、日本橋川を渡れば、麹町区になり神田区の端っこ。
感覚的に、ここが神田、というのは自分で書いていても、
多少の違和感は、ある。
(飯田橋が、麹町、というのは、もっと違和感があったりはするが、、。)
ともあれ、三崎町、で、ある。
江戸の頃は旗本屋敷などがある、武家地であったため、
“町”ではないので、町名はない。
しかし、三崎、という地名自体は、
江戸以前からある古いものらしい。
江戸開府以前、日比谷入江だの、八重“洲”だの、
今の内堀のあたりまでが海であった頃。
このあたりが岬であったことから、来ているという。
またまた、与太話が長くなってしまった。
靖国通り専大前交差点から、水道橋駅西を結ぶ通り。
(ちょうど、武道館では専大の卒業式で、界隈には袴姿の
卒業生なども見かけられた。)
水道橋へ向かって、斜め左手前に折れる路地。
左側。青い小さな看板。
昼時であれば、30分待ち、というような列にもなるが、
2時半頃という時間。さすがに行列はないが、一人待ち。
完全受注生産であるため、自分のものと合わせて、5〜6分は待つ。
今日は、胃カメラ後でもあり(今ひとつ理由としては希薄であるが)
ひもかわにしてみよう。
ひもかわ、とは、名古屋地方でいうきしめんのようなもの。
平たい麺のうどんである。東京では昔から、ひもかわ、と、いう。
こうした路麺などでは、当然、茹で麺、である。
が、腰があってうまいのである。
天ぷらは、なすと、小海老天の盛り合わせ。
揚げたての、なす天3本に、いか天、丸々とした小海老天3個。¥450。
毎度であるが、この量でこの価格、東京路麺界の、驚異である。
10数時間の絶食と、内視鏡を突っ込まれた胃、に、
優しくはないが、染み渡る味である。
うまい、うまい。満足、で、ある。
とんがらし
TEL 03-3234-1610
〒101-0061 東京都千代田区三崎町3丁目2−10
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