断腸亭料理日記2006
3月14日(火)夜
読者の方には、意外に思われる方もおられるかもしれないが、
筆者、元来、胃腸はあまり強くはない。
と、いうよりは、弱い。
ここ何年も毎年、胃カメラを飲んでいるが、
昨年、抜本的に、治す、ことにし、
最近の薬の進歩は驚くべきものがある。
一応、確認のために、再び、胃カメラを近々やることになっているが、
最近は、ほぼ完治したようで、このところ調子は良い。
このため、どうも、ドカ喰をするようになり、
今日、しばらく会っていなかった人から、「太った?」といわれたのである。
体重としては、2kg程度太っただけだが、
少々、ショックではあった。
(とはいっても、筆者の身長170cmの標準体重である64kgから、
2.5kgほど、越えただけ、ではある。)
と、いうようなことがまず、背景、で、ある。
そして、夕方から、今日はなにを食べようか、と、
毎度のごとく考えた。
なぜだかわからぬが、粗挽きの胡椒の利いたものが、食いたい、
というのが、思い浮かんだ。
理由は、自分でも分からない。
粗挽き胡椒、、?パストラミソーセージ?これは違う。
ローストビーフ?これは時間がかかるし、カロリーも高いか。
魚のムニエル?
うん、これならよさそうである。
帰り道、スーパーに寄る。
生のノルウェーサーモンが半額になっていた。これでよかろう。
道々、歩きながら、作り方、レシピ、を考える。
この作業は、いつものことだが、なかなか、楽しい時間である。
粗挽きの黒胡椒、は、決めたが、
これだけでは、おもしろくない。
なんだろうか?
酢!
うん。これだ。
以前に、焼く前に、マリネをする、というレシピを
どこかで見たことがあったが、これ。
鮭に、酢の味は、相性がよい。
帰宅。
すぐに作り始める。
まずは、生のサーモンである。塩をして置く。
少々短いが、10分。
そのまま、酢に漬ける。
確か、レシピは、野菜やハーブなどをいっしょに入れる、
というようなものであったが、面倒なので、酢、のみ。
20分ほど。少し表面が白くなる程度。
これも短いが、三切れあるうちの、薄めのものから上げ、
塩、粗挽き胡椒、そして、小麦粉をまぶす。
フライパンは、鉄のもの。
前に、くっついたものであるが、もう大丈夫であろう。
煙が出るまで熱し、火を止め、一度冷ます。
少し温度が下がったところで、油。
オリーブオイルでやってみよう。
鮭を皮目から入れる。
やはりこの瞬間は、くっつくかどうか、緊張するが、、
フライパンを揺すってみる。
OK。だいじょうぶである。皮もはがれない。
再び、弱火に点火し、じっくりと焼く。
小麦粉を振ってあるので、表面が固まれば、焼き方としては、
簡単である。実が崩れたり、皮がはがれにくい。
くっつかぬのは、筆者の腕の進歩よりも、
粉を振ったムニエルである、ということと、
フライパン自体が慣れてきたのであろう。
一切れを焼き終わり、残りの二切れ。
これには、胡椒に加えて、タイムとオレガノも振ってみよう。
今度は、二切れ同時に焼いてみる。
なかなかよく焼けた。
ビールを抜いて、食べる。
最初と、小麦粉をまぶすところと、
塩を二回振っているので、
特に、なにも付けなくとも、よい。
酢の味は、するかしないか、微妙なところだが、
むしろこのくらいで、よいかもしれない。
また、胡椒だけよりは、タイムが加わった方が、よい。
シンプルであるが、なかなか、うまいものができた。
今回は、魚を、鉄のフライパンで、
きれいにパリッと焼くことができたのが、
筆者にとっては、収穫である。
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