断腸亭料理日記2006

合羽橋・太助寿司

3月13日(月)夜

さて、合羽橋、太助寿司、で、ある。

先月は、来ていなかったわけではないのだが、
諸事情で、ここには書けなかった、のである。
(この日記をよく読まれている方は、
もしかしたら、お気付きかもしれない。)

さて、今日はつまみは、なしで、握ってもらうことに。

まずは、中トロ、壱岐。

九州の壱岐対馬、の壱岐。
壱岐は長崎県であるが、佐賀県の玄海灘沖、
対馬の手前、その先は朝鮮半島である。
こんなところでも、マグロは獲れるのである。
知らなかった。
柔らかく、甘く、うまい。

鳥貝、大阪湾。
太助ではいつもは、外房であるが、今日は、大阪湾。
とても肉厚で、プリプリに柔らかく、甘い。

小肌、瀬戸内。
浅めに〆られ、みずみずしく、よい香りである。
小肌のうまさと、いうのは、この独特のほんのりとした
香り、で、ある。

ぼたん海老。

みる貝。
ほんみる、で、あるという。
これは江戸前。
親方は、奥から、貝を運ばせ、見せる。黒い大きな貝であるが、
よく見る長い管はない。

「あれ?これは長くない?」
「ああ、それは、白みる、って、違うもの」

知らなかった。よく見る、みる貝。
白い貝で、大きく長い管(水管)を貝から、
伸ばしているのを、みる貝として食べていた。

これは、白みる、という違う貝らしい。
これはこれで、まずくはない。
しかし、本物は、黒い貝で水管も黒、茹でて鮨たねにされるときには、
先の部分が紫であるのでわかる、と、のこと。

(毎度、参考にさせていただいているが、市場魚介類図鑑)
ほんみる

白みる

ほんみるは希少で、価格は、白みるの倍以上、貝の王様。
希少で出回る量もわずかである、という。

この味がまた、甘み、旨み、そして貝らしい香り。
さすが、で、ある。

まだまだ知らないことは多い。

さて、次は、〆鯖。
九州である、と、いうが、本当はチェジュ(済州)島らしい。
密漁、と、いうのではないのかも知れぬが、
チェジュ島、と、いうのでは、売れないのかもしれない。
脂もあり鯖らしい。
また、〆具合も、きつすぎず、生すぎず、ちょうどよい。

さて、次。

牡蠣が出てきた。
これはつまみ。的矢(まとや)牡蠣、だという。


的矢牡蠣、と、いう名前は知っていたが、そういわれて
食べたのは初めてである。
的矢とは、真珠で有名な伊勢の英虞(あご)湾の隣の湾である。
そこで養殖されている、牡蠣が的矢牡蠣。
貝の形が丸いのが珍しい。
また、なまぐささやえぐみが少なく、ミルクのようである。
これはうまい。

平貝、瀬戸内。これもつまみ。
スライスし、塩だけで、焼いたものなのだが、
これが、あまいこと、あまいこと。
何回か食べているが、いつになく、あまい。

馬糞うに、函館。

そして、いつもの、熊笹で挟んで炙った穴子。
いつものように、うまい。

最後の巻物。
マグロ中落ち、とお新香の細巻。

今日は、以上。


筆者、慣れてしまっているが、
客観的に見て、太助寿司、かなりのレベルのねたに
かなりのレベルの腕で、それなりの価格。
(おまかせで、¥10,000程度)
あらためて、希少であろうかと思う。

太助



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