断腸亭料理日記2006

花見と、おでん

3月30日(木)夜

さて、二度目の花見である。
今日は、自分の職場のもの。
場所は、市谷の外濠の土手。

前日から準備、で、ある。
筆者はおでんを用意することにした。
断腸亭としては、レトルトでは、納得ができない。
おでんは、煮込まねばならない。

寒い夜桜には、温かいおでんが、絶好である。
他の者が、カセットコンロと鍋は用意する。

前日、帰宅時、材料を買って帰宅。

大根、昆布、がんもどき、さつま揚げ、
ちくわぶ、ちくわ、焼き豆腐などなど、
ハナマサにあるもの、で、ある。
(筆者の好きな、スジは、なかった。)

まずは、大根の下煮。
下煮をした方が、味が染み込みやすい、という。

時間短縮のため、圧力鍋で。
水を張り、昆布を入れ、大根を入れ、点火。

ゆで卵も入れよう。
卵も同時進行で、茹でる。

別の鍋にしょうゆ、酒、砂糖、水をベースに、
昆布を下に敷き、その上に味が染み込みにくい
ちくわぶ。その上に他の材料を入れていく。
味付けは、お多幸、まではいかないが、甘めの
しょうゆ濃い目、を目指す。

10人程度を想定しているため、量も並大抵ではない。
拙亭で、直径40cm程度の最も大きな平鍋を出してきたが、
これでも、足らない。
寸胴(ずんどう)で煮込む、と、いうのはなかろう。
結局、鍋二つに分ける。

大根は圧力をかけて、10分程度で火を消す。
しばらくして、フタを明けて、煮込み鍋に
合流。

ゆで卵も合流。

40分ほど煮込んで、
当然のこと、この日の夕飯は、これで済ます。
そこそこ、味は染み込んでいる。

染み込み過ぎを防止するため、
大根、卵、ちくわぶ以外は、一度上げておく。

さて、木曜日当日。翌朝である。
天気はよいが、寒のもどり、などと言っている。
夜桜は、かなり寒そうである。

おでんは、具とつゆは分けて、フリーザーバッグに入れ
会社まで。
昼間は、給湯室の冷蔵庫。

昼間から、北風が吹いている。
これは、かなり寒い花見になりそうである。

18時。
酒などは途中のスーパーに寄って買出し。
夜になって、かなり寒さが増している。

土手到着。
場所は、前の晩から、若い衆が綱を張って
確保してあった。

土手というところ、本来、吹きっさらし。
正に、寒風吹き荒ぶ、という感じである。
他に、花見を始めているところも、なくはないが、
まばら。
ブルーシートが舞い上がるので、皆が座って押さえる。

カセットコンロを取り出し、鍋をセット、
全部は入り切らないので、少しずつ、温める。

強風のため、煮立ちもしない。
いや、かなり、時間がかかる。

皆も、温かいものが欲しいであろう。
温まったそばから、どんどん、供給。

手はかじかむ、耳は赤くなる。
コンロはおでんを温めるだけで、お燗をつけることもできない。
まったくもって、こんなところで花見をする、というのは、
正気の沙汰ではない。

それでも、酒の酔いなのか、寒さのせいか、だんだんに、
思考能力がなくなってくる、、、。
なぜこんなことをしているのか、、?

・・・・。

なんとか、おでんも食い終わり、、、もはや我慢の限界。

結局、寒風の中、どのくらい、いたのであろうか。
2時間、、20時前、撤収。

どうも、こうしたことになると、
がんばってしまう、、。
なぜであろうか、な。

花冷え、などという言葉もある。
夜桜というもの、毎年、そこそこ寒いのであるが、

それにしても、今年は、、さ・む・か・っ・たーーーー。



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