断腸亭料理日記2006
6月4日(日)夜
引続き、日曜日。
夜、で、ある。
今夜は妻の希望で、鮨。
毎度お馴染みの、合羽橋の太助寿司である。
19時前、電話をし、自転車で出掛ける。
店に着くと、カウンターに、娘さんを二人連れたご家族。
親方が「待ってたんだよ!」。
聞いてみると、このご家族、拙亭のかなりのご近所にお住まい。
そして、この日記を読んでいてくださった、と、いう。
ちょうど「どんな人?」などと話しをしていたところへ、妻から電話が入り、
「今来るよ」ということだったらしい。
(ご近所のため、やはり食べに行くところが筆者などと重なり、
ちょっと、ここには書けないようなことで、盛り上がったり、、。)
さて、まず、つまみ。
今日は、いつもの盛り合わせではなく、
オコゼの刺身。
キモが身の上に載せられている。
以前にも太助で食べたことがあるような、記憶もある。
活(い)けのようである。
オコゼは本来は、冬が旬であると思われる。
この時期、オコゼを食べるのは元々は関西の習慣だという。
ハモ、のようなものなのかもしれぬ。
値段もプレミア付き、と、いう。
さっぱりとしながら、旨みもある。
(古い日記を探したら、名古屋時代、自分でから揚げにして食べている。
時期は2月。安かったのであろう。
名古屋というところ、東京ではスーパーには並ばぬような魚も
あり、また、それが安かったように思う。
味は今一つ、などと書いている。腕の問題、で、あろう。)
握り。
金目。
このところ、毎度、登場している。
いつものように、皮目の焼き霜。
脂があり、うまい。
中トロ。
やはり、壱岐。これも、うまい。
ほんとうに、壱岐の中トロは、柔らかい。
鳥貝。
今日のは特大。一口で食べるのに苦労するくらいである。
しかし、むろんのこと、柔らかい。
小肌。
鯵。
鯵は、やはり、走水。身が厚く鯵らしい旨み。
みる貝。
むろん、先が茄子紺の、ほんみる。
毎度、申し訳ないほどの、うまさ。
穴子。
夏に向かって、だいぶ脂がのってきたようである。
さて、ここで、本日のメインイベント。
「まだ、他のお客さんに出してないんだよ!」と、
出してくれた、2品。
まずは、新いか。
いうまでもなく、すみいかの子供。
まさに、初物中の初物。本来は秋口、の、ものであろうが、
もう出てきた。
すみいか、が好きな筆者としては、たまらないものがある。
ほんのりとした、すみいか、らしい味と、
噛んだときの身の表面の、さくっとした、食感もあり、
かつ、とろけるように柔らかい。
すばらしい。
ついでに、下足も生で握ってくれた。
新いかならではであろう。柔らかく、甘い。
そして、いよいよこの季節がやってきた。
利尻の馬糞うに、で、ある。
この箱が、本物の証(あかし)。
ちょっと、薄めの色。
まさに、とろける。
凡庸な形容詞を並べるのは差し控えよう。
うまい、の一言。
魚がうまいのは、冬、と、思われている方も多いやも知れぬ。
親方もいっているが、本当は、これからの夏が、うまいものは多く出てくる。
今日の、新いか、そして、利尻の馬糞うに、さらに、
新子、などなども出てこよう。
これだけのねた、筆者も簡単に書いているようだが、
どれも、築地で、いくらも入らないものばかり。
銀座や新橋、芸能人が来るような有名店、高級店では、
値段も三倍も四倍もする。
また、そうした有名店でも置いていないものも、少なくない、と、いう。
お近くの方はもちろん、ご遠方の方も是非、
合羽橋・太助寿司へ足を運んでみてはいかがであろうか。
今まさに、お勧め!、で、ある。
★利尻の馬糞うには、これから秋口まで、たいてい置いていると思われますが、
それでも、ねたにご希望があれば、事前にTEL確認、予約をお勧めします。
また、「○○を入れて、1万」、など、ご予算も親方に最初に伝えておけば、
考えて握ってもらえると思います。
(多分聞かれるかと思いますが、
断腸亭、で見ました、といっていただければ、少し違うかも。!?)
合羽橋・太助寿司
電話番号:03-3841-4811
住所: 東京都台東区松が谷2丁目26−6
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