断腸亭料理日記2006

浅草雷門・うなぎ・色川

7月13日(木)夜

さて、そろそろ、土用の丑(うし)の日が近付いてきた。
今年は、7月23日(日)、8月4日(金)の二日。

土用とは春夏秋冬、各四季の最後の十八ないし、十九日間を
いい、今年の夏の土用は、7/20から始まり、8/8の立秋の前、8/7までと、
いうことである。この間に丑の日があればそれが土用の丑の日。
十九日間の中に、十二支を重ねれば、二回現れる年も
さほど珍しくはない、と、まあ、そういうことらしい。

一昨年も丑の日が二日あった。
来年は一日だが、再来年とその次(08年と09年)も二日ある。
(参考:こよみのページ )

しかしまあ、一般的にはうなぎやさんでも、スーパーでも
売出しイベントとしては、最初の方を丑の日、として
扱っているようである。

ともあれ、ここ二、三日、天気はよくないが、暑い日が続いている。
今日の東京の最高気温は33℃。これで天気がよくなれば、梅雨明け、
なのであろう。

暑くなると、どーしても、うなぎ、で、ある。
うなぎが、食いたい。
丑の日になる前に、食べておきたい。

どこに行こうかと、考えた。
仕事帰り、で、ある。

江戸川橋(文京区水道)の石ばし。
前から行きたいと思っていたところ。

夕方から降りだした比較的激しい雨の中、行ってみる。
場所は、神田川(江戸川)の、こちら、牛込側からは向こう側。
江戸川橋と、飯田橋のちょうど中間あたりであろうか。
トーハンの左側、斜(はす)向かい。

18:30頃。いやな予感はしていたのだが、なかなかの人気店で、
行ってみると、「本日は売り切れました」の看板。
事前に、TEL確認しておくのであった、、。

さて、どうしよう。
こうなったら帰ろうか。地元にしよう。
ちょっと、ご無沙汰であった、雷門の色川へ、行ってみよう。

あの親父さんは元気であろうか。

田原町から歩く。雨はまだやんでいない。

戸を開け、暖簾から頭を入れて覗いてみる。
こちらも、なかなか賑わっている。
「なんにん?」と聞く親父さんに、一人、と一本指を出す。
「そこ」とカウンターの奥を顎で指し示す。

お酒。常温。ここは白鶴のようである。
焼き鳥でももらおうと思うが、今日はもう切れているようである。

うな重並を頼む。
(筆者はいつも、並、で、ある。
うなぎやさんに聞いたこともあるような気がするが、
上中下、松竹梅、あっても、頼むのであれば、
一番上か、一番下。人間の心理として、どうしても
真ん中を頼みたがる。
すべての店が、そうだ、というのではなかろうが、
人が最も多く頼むのは、最も割が悪い。
値段の差ほど、うなぎに差はない、ということである。)

うなぎを焼きながら、カウンターのお客を相手に、いつものように、
親父さんは、祭りの話しやら、浅草の話しやら。

待っている間にも、お客は入る。
さすがに、土用まぢかである。
親父さん、二組目のお客を断ってしまう。
ペロッと舌を出し、「まあいいや、今日はお仕舞いだ!」。

うな重並ができる。
たれの染みた、堅めの飯と、蒲焼を夢中でかっ込む。

うまい、うまい。

やっぱり、たまには、この親父さんの顔も
見にこなくてはいけない。

雨は上がった。

ぶらぶら歩いて帰る。


地図





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「江戸のロハスを食べる」11ページ。記事、レシピ、料理作りなど。
着物を着て、扇子を広げ、間抜けな写真も載っています。
これで断腸亭も、面が割れた、ということでしょうか。
あらためてみると、お前は何者だ?!、という、かなり妙な感じ。
まあ、それも私のキャラクター。笑ってご覧いただければ幸いです。
料理の写真は、さすがにプロ。うまそうに撮れています。

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