断腸亭料理日記2006  

断腸亭料理日記池波正太郎レシピ

煎り鴨の肉と生卵をかきまぜた飯

7月16日(日)第一食

さて、くどいようだが、雑誌「IPPO」秋号が発売された。

昨日、土曜日、出版社から送っていいただいたものが届いて、
さっそく、みてみた。
かなり、恥ずかしいものである。

写真のことである。
こんな写真を使わなくともよかった、と、後悔しても
いまさら遅い。もう少し、まともなものもあったはずなのに、、。
まあ、この写真を選んだのは編集の方で、
これがよかろう、断腸亭らしい、と、いうことなのであろう。

どちらにしても、今の世に、火鉢を使っているヘンな一般人のAさん、
(これはNHK)あるいは、ちょっと池波正太郎と料理の好きな
サラリーマンBさんとして(これはAERA)取り上げられるのではなく、
ペンネーム断腸亭錠志として、一般に売られる媒体に、物を書く
ことができた、というのは、ありがたいことである。
取り上げて下さった編集部の方々に感謝しなくてはならない。

ともあれ、この記事の中で、
「煎り鴨の肉と生卵をかきまぜた飯」というものがある。

これは、実際に剣客商売で書かれているものと、
ちょっと違っている。
記事は、どちらかというと、鴨鍋の肉を載せた、ご飯、卵黄かけ。

実際には、卵かけご飯にしょうゆ味の鴨肉を入れたもの。

作品は「剣客商売」6 新妻「川越中納言」。
大治郎が作るもの。

鴨肉を塩味で煎り、鉢に生卵を六つ、酒としょうゆを入れ、
飯に掛けまわして食べる、というもの。

生卵六つ、というのが、いかにも大治郎らしい。

そこで、今日は、この正調「煎り鴨の肉と生卵をかきまぜた飯」を
作ろう、と、思い立つ。

鴨肉は、凍っている。
冷凍庫から取り出し、解凍。

その間に、飯を炊く。

飯が炊き上がるのを見計らって、作り始める。

鴨肉を一口大に切る。
そして、さらに、脂身を肉からはずす。
脂と肉は別々に料理した方がうまかろう。

まずは、更に細かく切った脂身の脂を出す。
これはダシ、である。
空鍋に脂身を入れ、弱火でじっくり炒める。
これは、ベーコンをカリカリに炒める要領。
弱火でじっくり炒めることにより、焦げ付かず、油が出てくる。
その油で、脂身自身を揚げ炒めることによって、
より油が出てくる。

ここに、しょうゆ、酒を入れ、軽く煮立て、アルコール分を飛ばす。
鴨肉を入れ、煎り煮。表面に色が着く程度。すぐ火を止め冷ます。
冷まさなければ、卵が固まってしまう。
あくまでも、卵かけご飯である。
生であることが重要であろう。

冷めたら、生卵、今日は二個を入れ、割ほぐす。

これは別にしてもよい。
お椀などに、卵を割りほぐし、ここに、肉と煮汁を味を見て加える。
作品はこうしている。

そして丼飯に、ぶっかけ、かきまぜる。


できた。

記事にも書いたが、卵かけご飯はいくら炊きたての飯でも
卵白が入ると、どうしても生臭さがある。
そこで、記事は卵黄のみにした。

今日は正調「煎り鴨の肉と生卵をかきまぜた飯」。
大治郎もいっているが、料理というほどのものではない。
卵かけご飯、鴨入り。

これはもう、ズルズルと、かっ込むだけである。

いやいや、うまかった。





★お知らせ!!★
例の雑誌取材「IPPO(いっぽ)秋号」ニューズ出版
断腸亭登場分、7/15発売されました。
「江戸のロハスを食べる」11ページ。記事、レシピ、料理作りなど。
着物を着て、扇子を広げ、間抜けな写真も載っています。
これで断腸亭も、面が割れた、ということでしょうか。
あらためてみると、お前は何者だ?!、という、かなり妙な感じ。
まあ、それも私のキャラクター。笑ってご覧いただければ幸いです。
料理の写真は、さすがにプロ。うまそうに撮れています。

                          断腸亭




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