断腸亭料理日記2006

HEARTLAND

7月4日(火)夜

筆者のオフィスの近所、牛込払方町の鳥や。
社員の間では、トリヤ、と呼び習わされている、鳥料理・よしだ

今日は職場の連中と、呑みに行く。

この店のことは、何回か書いている。
ミテクレはお世辞にもよい、とはいえない店であるが、
鳥以外にも、うまいものを食わせる。

今日は、ここの話ではない。
ここに置かれている、ビールのこと。
書いたような気もするが、ここには、ハートランドビールが置かれている。

ハートランドは筆者にとっては、ちょっと思い出のビールである。
筆者、というよりも、筆者ら夫婦。
随分昔のことになるが、1987年(昭和62年)。今から19年前。
就職して2年目であるが、結婚したのがこの年の秋。

そして、当時、六本木の、今は六本木ヒルズになっている場所に
ハートランドのブランドショップがあり、そこで、
結婚式の二次会をしたのであった。

このブランドショップは、1986年から1990年まで期間限定で営業されていた。
蔦のからまる石造りの古色蒼然とした、渋い洋館。
この場所は、当時はテレビ朝日の敷地で、庭園があり、その脇に立てられていた。
(筆者知らなかったが、2003年にこのブランドショップのハートランドは
同じ場所、六本木ヒルズに再オープンされていた。下記のページに
その、昔の写真が掲載されている。)

http://www.kirin.co.jp/brands/HL/shop/

まあ、今から考えると、筆者も若かった。
こんな場所を貸切にして、二次会をするなどということ。
折りしも、時代は、バブルの絶頂である。
そんなことがカッコよかったのである。

それはともかく、この洋館と、この場所。
今は、ご存知の六本木ヒルズになっているのだが、
六本木ヒルズのページには歴史が語られていた。

どこのお屋敷かと思ったら、江戸の頃は、長州藩毛利家の上屋敷であった。
(どうでもよいが、ここは、かの乃木希典、乃木大将の生誕の地だそうで、
そういえば、乃木大将は長州藩の人であった。長州藩邸であったころ
藩邸内の長屋で生まれた、と、いうことなのである。)

そして、明治以降、中央大学の創始者増島六一郎氏の持ち物となり、
先の洋館は、大正期ということなので、
増島氏の頃に建てられたものかもしれない。

さて、ハートランドビール、で、ある。

もしかすると、このビールはご存知でない方もいらっしゃるかもしれない。
もともと、先のブランドショップのハウスビールとしてスタートした
こともあり、大量に売られているものではない。
作っているのは、キリンビール
これも、ご存知でない方もあるかもしれない。

グリーンのボトルで、胴の部分にブランドロゴのレリーフがあるが
大きなラベルはなく、瓶の口元に、小さなラベルがあるだけ。
この小さなラベルによく見ると、麒麟麦酒、と書かれている。

19年前にはビールの味などわからなかったが、
最近あらためて呑むようになり、かなりうまいビールであることを
発見した。

以前、仕事の関係で、キリンビールの方に聞いたことがあったが、
このハートランドというビールは、プレミアムビールといってもいいぐらいの
品質であるという。
(今、価格が、高かったかどうかは、わからない。
当時は、通常の中瓶と同じであったかと思う。
大量に売らない理由は、本当かどうか知らぬが、
売れ過ぎても、上質な原料を使っており、
あまり儲からないからである、ともキリンの方は、
いっていたような記憶がある。)

このビール、とても香りがいい。
アロマホップ100%という。
ついでに、麦芽も100%。

なにか、キリンビールの回し者のようになってきた。
なにか貰っているわけではない。

しかし、この香り、なにか、とてもリラックスできる。

プレミアムビールの代表といえば、
ヱビスビールである。
(いや、今は、それ以外にもモルツのプレミアムやら、キリンでも
チルドビールやらいろいろ出ているが。)

特別なときに、特別な店で、特別なビール。
ヱビスもそんな売り方をしている。

まあ、好みであるが、
ヱビスもよいが、どうも、このハートランドは筆者にとっては、
若い頃の思い出も相まって、特別なビールである。
キリンの、あまり売らないようにしている、
というところも、いいではないか。

うまいビール、ハートランドである。


(一般に売られているものを書くと、広告コピーのようになってしまう。
困ったものである。)





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