断腸亭料理日記2006
新年、あけましておめでとうございます。
今年が皆様にとりまして、よい年となりますよう、
お祈りいたします。
また「断腸亭料理日記」本年も相変わりませず、
よろしくお願い申し上げます。
また、本日分から、断腸亭料理日記2006、と
タイトルも、あらためます。
筆者
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12月31日(土)〜1月1日(日)
さて、大晦日から元旦の、年越し、で、ある。
毎年、同じ様なもの、、、と、いうよりは、まったく同じ。
毎年同じ、というのは、よいことである。
季節に従って生きてきた日本人は、毎年、同じ時に、同じ物を食べ、
同じ様に、暮らす。それが、最もよいことではなかろうか。
クリスマスの箱根は、恒例になっているが、
正月には、旅行にも出かけない。
東京にいる。
妻はともかく、東京が故郷である筆者は、帰省する先もない。
昔からそうであるが、お盆や正月、
はっきりいえば、地方の方が、帰省したあとの東京の方が、
本当の東京。
この時に、東京にいなければ、どうするんだ、
と、思っている。
ともあれ、大晦日から、元日、で、ある。
大晦日。
筆者の仕事は、神田・須田町のそば屋、まつやへ、
予約してある、年越しそばを、買いに出る。
神田まつやは、池波先生御用達であったそば屋、
と、しても、有名である。
店で食べるのではなく、家用に、生そばを買いに行くのである。
店で売る、年越しそば用の生そばは、
12月に入った頃、あらかじめ、予約しておく。
このとき、時間を聞かれるので、毎年、14時、ということにしてある。
13時過ぎ、家を出て、まつやの前に、上野広小路へ廻る。
これも、毎年恒例、うさぎや。
うさぎやは、どらやき、が有名である。
筆者は甘い物は、嫌いなわけではないが、特段の思い入れもないが、
ここの、どらやき、だけは、別格。
東京一、うまい、どらやき、で、あると、思っている。
あんこ、が、まったくうまい。
素朴で、甘過ぎず、とても柔らかく、優しい。
皮は、ふんわり。
食べる者をいたわるような、幸せにしてくれる
どらやき、で、ある。
拙亭では、毎年、正月の菓子になっている。
場所は上野広小路(中央通り)。
百貨店の松屋の前、末広町寄り、広小路は、気持ち、屈曲している。
末広町から上野方向に来ると、右側に曲がっているのだが、
これを、右へ行かず、直進する形に、道が分かれている。
この道沿い、北へ向かって左側。
鉄筋の大きなビルの一階、で、ある。
ここは、旧町名でいうと、上野西黒門町。
黒門町は広小路をはさんで、東西に分かれる。
黒門の、由来は、東叡山寛永寺の総門。
昭和の名人、八代目桂文楽師の住んでいた町としても有名である。
広小路に車を停め、走って、うさぎや、へ。
大きな注連飾りが、正月を前に、よい風情、で、ある。
店の奥へ入り、まずは、注文。10個入り。(1個¥180)
ここは、客が多くとも、列にはならない。
注文を受けて、準備をし、しばらく経ってから名前を呼ばれ
品物を、受け取る、というやりかた、で、ある。
知らない方は、注文をせずに、なんとなく、列を作ってしまうが
これでは、いつまで待っても、品物は受け取れない。
待ち時間は左程のことはない、10分はあるまい。
買って、すぐに、車に戻り、今度は、神田須田町へ向かう。
末広町交差点を右折。
蔵前橋通りから、明神下の通り(不忍通り)へ出、
昌平橋を渡り、淡路町の交差点を左折。
ここも、靖国通りが屈曲している、Y字路手前に駐車。
Y字路の路地側が、まつや、で、ある。
毎年のことだが、この時間も、年越しそばを食べようという人々で、
列ができている。
今年は、例年になく、長いように思われる。
この列を横目に、路地を入り、販売用の場所へ行く。
名前を言って、3人前。
そばと、缶入りのつゆ、ねぎ、が入っているセットである。
それから、いつも通り、うにの瓶詰め。
普段、まつや、の店内でも売っていたと思うが、
どうしてだか、この年越しそばを買いにくると、
つい、買ってしまう、ので、ある。
岡本のうに、と、いうもの、なのだが、¥3000と、値段もよいが
これが、なかなか、うまい。
筆者の舌では、うにの瓶詰めは甘め、が多い中、
ここのものは、さっぱりとし、よい。
まさに、江戸っ子好み、と、いえよう。
このまま、日本橋三越へ寄って、まぐろ中トロ、
を買って帰宅。
これは夜、食べたが、鹿児島産生まぐろ。
一サク¥2000超だが、柔らかく、トロトロ。
なかなか、うまかった。
さて、年越しそば。
付いているねぎは、あらかじめ、切って、水に、晒しておく。
紅白が終わり、作り始めたのだが、
今年は、呑みっぱなしで、かなり酔っ払っていた。
半分は、妻が準備をしたような気がするが、
実のところ、よく覚えていない。
盛り付けは、妻、だと思われるが、
ちょっと、雑、で、ある。
長くなるので、明日もつづく。
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