断腸亭料理日記2005
今年一年、何回分書いているのであろうか。
数えるのも面倒なので、わからないが、一年が52週。
週5回で、260回程度は書いているのだろう。
まずは、外食。
今年の新規開拓の中で、印象に残ったところを書き出してみる。
1月、有楽町・ジャポネ、ふぐの浅草・三浦屋。
ジャポネは、今さら書くまでもなかろう。
読み返してみると、今年になってからであったことに気が付く。
もっと前から、来ていたような。それほどに、馴染んでいる。
ふぐの浅草・三浦屋。
ふぐは、まったく、縁のない食い物であったが、
ここのおかげで、なかなか、うまいものであることが、
この年になって、わかった、ということ。
2月、上野大勝軒。これは、上野大勝軒、だけのことではない。
広い意味で、つけめん、あるいは、魚介系のラーメン、と、いうような
ことである。(大喜、青葉なども含まれる。)
今まで、どちらかというと、敬遠していた、このジャンル、
食べ慣れてみると、なかなか、うまい、ということを
発見した年、で、あった。
3月、三田・たけちゃん、など、立ち呑みの店。
もつ焼きの千束・喜美松
三田・たけちゃんなど、立ち呑みの店。
世間的にも、今、東京ではブームであるという。
筆者は、ブーム、とは、あまり関係ない。
路麺同様、東京の街のある種のオアシス、であることを
実感する。
4、5月、なし。
6月、田端・路麺・かしやま
7月、三ノ輪橋・うなぎ・丸善
8月、メキシコ行き
9月、駒形・鮨・松波、日本橋・路麺・そばよし
10月、宝町・立ち呑み・びっくりうどん本舗、板橋・中華・蜃気楼、
合羽橋・太助寿司・鮭児
11月、三ノ輪・路麺・長寿庵、本所・石原・レストラン・クインベル
12月、なし。
田端・路麺・かしやまおそらく、東京の路麺でも、
質的には1〜2のレベルであろう。
この店に出会えたのは、やはり、今年の大きな収穫である。
三ノ輪・路麺・長寿庵そして、ここ。
まだまだ、その本質は突き止められていない、
と、いってよいかと思うが、妙に、、いや、絶妙に、うまい、
そばと、店。
また、三ノ輪、という街を、少し発見できた年、でもある。
メキシコ。
これは、さんざん書いたが、とても魅力のある国、
そして、食い物であることを、発見した。
(日本へ入ってきている、
メキシコ料理とのギャップも同時に発見。)
宝町・立ち呑み・びっくりうどん本舗
これは、どちらかというと、写真家・不動産再生家、塩崎庄左衛門氏
と、いった方が、よい。もちろん、この日記の縁で、
知己を得ることができたのだが、筆者にとっては、今年の大きな
できごとの一つである。
板橋・中華・蜃気楼
その後、場所柄、行く機会に恵まれないが、
名店、である。
本所・石原・レストラン・クインベル
ここも、よい店。下町の、やみつき洋食・フレンチであろう。
合羽橋・太助寿司。
新規開拓ではないが、鮭児、は、はじめて。うまかった。
また、先日、書いたが、筆者と、この日記、
そして、読者の方々の場、と、いってよいようなところとなった。
今まで、どちらかといえば、書き散らしてきた、この文章の
責任のようなものと、筆者自身の姿勢を考えさせるきっかけになった。
そして、新規開拓のNo.1といえば、駒形・鮨・松波。
先週の、箱根の福住楼同様、といってよいのか。
磨き抜かれた江戸前の職人仕事、に、触れられる、
豊かな時間。そんな、気がしている。
自作料理、では、どんなものがあったろうか。
毎年、同じ様なものばかり作っているような、気もする。
(これは、筆者の主張としては、なにも悪いことではない。
四季に別れた日本では、毎年、同じ時期に、同じものを食べる。
これは、大切なことである。)
そんな中でも今年の収穫は、
一つは、羊肉串。
羊肉の串焼きクミン風味、で、あるが、滅法うまい。
シルクロードの味、で、ある。
そして、鉄製のフライパンのこと。
テフロンのフライパンで、秋刀魚の蒲焼をつくるのに、
くっついた、こと、から、
読者のプロの料理人の方から、メールをいただき、
鉄製のフライパンを悪戦苦闘しながら、使い始めたこと。
まだまだ、本当に使いこなしている、とは、いえないが、
いわゆる、ソテーや、ロースト料理が楽しみになった。
さて、断腸亭料理日記の、この一年をまとめると、
どんなことになろうか。
東京という街に育ち、そこで暮らす毎日。
その日々を、いかに充実させるのか。
それには、何事にも真摯に。
そして、食わず嫌い、行かず嫌い、は廃そう、と、
考えた一年でもあった。
おかげで、ジャポネやら、立ち呑みやら、数々の路麺やら、
に、出会うことができた。
池波正太郎先生が書き残した、江戸の人々や、食い物、店々。
それらを捜している、過程でもある。
わずかながら、これらに、そんな匂いのする東京を
見つけたようにも思う。
★ご愛読、ありがとうございました。
来年も相変わりませず、お付き合いをいただければ
幸いです。
06年が、読者の皆様に、よい年でありますよう、
お祈り申し上げます。
筆者
(今年は、今回が最後となります。
次号は、定例どおり、1/1(日)より、配信する予定です。)
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