断腸亭料理日記2006
1月30日(月)夜
なぜであろうか。
自分でもよくわからない。
朝から、ほうとう、が、食べたくなっていた。
テレビで見たのか、夢で見たのか、定かではない。
ほうとうの、プリプリした麺のイメージが、なにか、朝起きたら
頭の中に、チラチラしていた、、。そんな感じなのである。
(こうして文章にしてしまうと、なにか、あぶない人、のようで、ある。)
ほうとう、とは、ご存知であろうか。
山梨県地方の、野菜とともに味噌味で煮込んだ、
太いうどん、のこと、である
会社帰り、牛込神楽坂駅近くのスーパーに寄って、
ほうとう、を捜す。
最近、ほうとう、は、ちょっとしたスーパーにもある。
生のもの。
基本的には、具は野菜。
なんでもよいのだろうが、ほうとうには、かぼちゃだけは、欠かせない。
かぼちゃ、里芋(むいたもの)、白菜1/4、
きのこも入れてみようか、ぶなしめじ。大根。それから、油揚げ。
豚肉も入れようと思う、が、これは、冷凍庫にあったはずである。
こんなものでよかろう。
帰宅。
まずは、豚肉の解凍。
バラのスライス、で、ある。
かぼちゃを、切る。煮えるのに時間がかかるので、薄く。
大根も薄く。
水から、パッケージの作り方には、煮干を入れるように書いてある。
入れてみよう。
そして、かぼちゃ、大根、里芋、豚肉を入れ、
煮立って、弱火。
10分ほど煮て、そこそこ大根にも火が通ってきた。
おっと、かぼちゃの方が、火の通りが、早い。
これは、薄く切り過ぎた、かも、、。
ここで、白菜の芯の部分を先に入れる。
油揚げ。
そして、ほうとう、を、ほぐしながら入れる。
冷蔵庫にあった、ねぎ。
麺が、透明になってきたら、付いていた味噌のたれ。
最後に、白菜の葉の部分。
ちょっと煮て、OK、かな。
味見。
かぼちゃは、溶けてしまった。
付いていた味噌だけでは足らなかった、か。
少し味噌を足す。
よいかな。
盛り付け。
ふむふむ、これは、かなりうまい。
ほうとう、が、プリプリ。かぼちゃが溶けているのも
つゆに味が出て、これはこれで、よい。
また、つゆには、かぼちゃ以外、豚肉はもちろん、
それぞれの野菜の味も出て、このあたりが、うまい、ところである。
また、これで、充分にビールも呑める。
作っているうちに、妻が帰宅したのであるが、
入っているものを見て、
「断腸亭、らしくないじゃない?」
との、感想であった。
なにが、というと、野菜具沢山、と、いうところ、で、ある。
また、きのこ(や山菜)、と、いうのも、大好きか?
と、聞かれれば、筆者は、やはり、そうでもない。
ほうとう、と、いうもの、基本は、山国の料理である。
山梨県では、ほうとうには、肉なんぞも、入れないで
野菜のみ、と、いうのが、もともとの形、であると思う。
20年以上前であろうか、学生時代、山梨のどこかのドライブインで食べた
ほうとうは、野菜のみであった。
子供の頃から、野菜嫌いであった筆者は、かなり、辟易した記憶がある。
この年齢になって、野菜嫌い、ということはないし、
また、山菜にしてもきのこ類にしても、それなりにうまさ、は
わかるつもりでもいる。
また、意識して、芋茎や切干大根なども、試してみている、
と、いうことも、ある。
しかし、本当は、さっぱりした鯵のたたきやら、脂ベトベトの鴨鍋やら
そんなものが好物、であることは、間違いない。
なにか、言い訳じみた書き方、になってしまったが、
かぼちゃの溶けたつゆ、野菜沢山の、プリプリのほうとう。
今日は少し温かかったが、これからまだまだ、寒い日が続く。
そんな寒い夜には、うまいものである。
あたたまる。
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