断腸亭料理日記2006

納戸町・カレーや・からかうあ

8月2日(水)昼

さて、久しぶりに昼飯の話題。
オフィスの近隣、牛込界隈のランチである。

このところ、矢来町のフレンチ、ブラッスリー・グー
も、少しご無沙汰。
このところは、実はこの店、予約なしでは、もはや、
昼は入れなくなっているのである。
いつもの昼飯に、予約までする、というのは、
なかなかにハードルが高い。

そこで、まあ、我々にとっては毎度お馴染み、
この日記に書けるようなこともあまりなく、
いつもの店をぐるぐる回っている毎日、ではある。

そんななかで、新しい店ができた。
場所は、牛込中央通りから、横へ入った、納戸町の裏路地。

週に一度は来るかもしれない、パーコー炒飯のうまい、
普通の街の中華料理屋・邦苑

\1,600ランチのフレンチ、ビストロ・ドバーブ

そして、これだけ近所にいながら筆者は10年以上行っていない、
今は\10,500ディナーの、有名フレンチの、ル・マンジュ・トゥー

などなどある路地、で、ある。
こうして改めて書き出してみると、なかなか、ここすごい路地である。
牛込ビストロ銀座といわれる界隈でも、フレンチが2軒もある路地
というのは、なかなかない。

納戸町のこと。


幕府の御納戸同心(将軍の手回り品の出納を役目とした武士)の
屋敷があったことに由来している。
上の地図の時代では、御納戸町という名前であるが、御納戸同心の組屋敷は
他へ移転しており、江戸の頃でも既に、町人が住む町屋になっていた。
今も、お屋敷町である近隣の町々と比べ、微妙に家並みが小さいのは
そのせいであろう。

さて、その路地にこの7月7日、七夕に新しくできたカレーやである。
カレーや、というのは、そもそも、こんな路地にはありえない、
ような気もする。
東京のどこの町にでもある飲食店といえば、まずはラーメンや・中華料理や、
そして、寿司や、そばや、喫茶店、夜の商売で、居酒屋、そんなものか。
カレーだけで商売をする、とすると、東京でももっと繁華な場所、
少なくとも、駅のそば。あるいは、学生街、であろう。

この界隈では、今はお濠の向こうだが、市谷左内坂に、有名になった
かの、「パク森」発祥の店があった。
ただのスタンドカレーやではなく、うまい、カレーやだったのは、大きい。
週に一回とはいわないが、月に数回は通っていたので、
いさかか、寂しかったのではあった。
(かといって、昼飯にお濠を越えてまではなかなか、行けないのである。)

できたのは、「からかうあ」という、今、流行りのスープカレーの店。
ちょうど、ビストロ・ドバーブの隣。
間口は一間ほどの小さい店。
名前の「からかうあ」は、Kalakauaアベニューから取っている?、あるいは、
(ホノルルにある、Karakauaアベニューから取っている?、あるいは、
人の名前?聞いてはいないのでわからない。)

ハワイでカレー、もしくは、ハワイのカレー。
このコンセプトはちょっと意外な感じもする。

筆者、ダイビングをする関係で、いわゆる南の島へはよく行くのだが、
ハワイには、ハワイ島に一度行ったことがあるだけで、
料理事情にはさほど詳しくはない。

ハワイ風のカレーというのもあるらしい。
ココナッツミルクの入った、タイ風カレーに近いものであるらしいが
なにぶん食べたことがないので、はっきりしたことはいえない。
(後に述べるが、ここのカレーはこれではない。)

ともあれ、この店は、ハワイをイメージした店、
と、いうことなのである。

店内は、四人掛けのテーブル二つに、カウンター。
全部で20席もないであろうか。

メニューは、ほぼ三品。
スタンダードカレー、と、日替わりカレー、の、スープカレー二品と
ドライカレー風のカレーロコモコ。
(ロコモコはハワイ料理らしい。いろんなバリエーションもあるようだが、
どうもご飯の上に、ハンバーグと目玉焼きが載るようである。)

日替わり、も、スタンダードも、想像するにベースは同じであろう。
サラサラのスープカレー。
ここに、スタンダードは大きなにんじんとピーマンが入る。
日替わりは、文字通り日替わりで、ごぼうと鶏だったり、
いろいろなものに代わる。

辛さは8段階に分けられており、+1、+2までは無料。
+2程度で、辛いものが好きな筆者でも、そこそこ満足はできる。

肝心の味、であるが、筆者は悪くないと思う。
スープカレーであるが、なにかトンガッタ部分がある、と、
いうのではなく、ある程度、誰にでも受け入れられる味であろう。

ご飯。
ご飯は、ターメリックライスであろうか、
黄色い色をしており、雑穀入り、と書かれている。
見た目には、発芽玄米のようにも見える。

そして、ランチセットとして、+100円で、
コールスローと、“伝説”杏仁豆腐(なにが伝説なのかと聞いてみたら、
それほどおいしい、ということであった。)が付く。

開店から、都合3回ほどであろうか、来ている。
なんにしても、これだけの近所に、
カレーやさんができた、ということはありがたい。
週に一回はやはり、お昼にカレーを食いたい、と、いうのは
日本人としては、自然な欲求である。
お店も、毎日ほぼ満席。弊社の社員も多かろう。

新しいお店が続いていく、というのは、
それほど簡単なことではないのかと思う。
先にも書いたように、この立地で、カレー一本でやる、
というのは、もっとたいへんなのかもしれない。
お若そうな、ご主人と奥さん(たまに、お手伝いの
お母さんがいることもあるようだ。)のお二人でやって
おられる。
近所のものとして、応援したい。

HP

(上の写真はお店の許可を得ています。)




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