断腸亭料理日記2005

合羽橋・太助寿司、、から、

読者の皆様へ

12月18日(日)夜

この日記で、最も、登場回数の多い店、
と、いうと、牛込矢来町のフレンチ、ブラッスリー・グーと、
合羽橋の太助寿司、で、あろう。

グーの方は、オフィスの近所で、ランチ。
¥1000で、驚くべき、昼飯が食べられる。
今月などは、昼、ふらっと行っても、予約で一杯
という、人気ぶり。

太助寿司は、浅草は浅草でも、合羽橋道具街そばで
不便な場所にあり、いわゆる、一般には、有名な店ではない。
筆者にとっては、近所の行きつけの寿司屋、で、ある。

この2店で、筆者にとって、大きく違う点は、
お店が筆者を認識し、日記としてネット上に書いていることを
知っている、か、どうか、と、いうことである。

発端は、もう何年も前だが、太助寿司に、
この日記をご覧になった方が、ページを印刷して、持ち込まれた、こと。

それ以来、筆者自身は、最低でも、月に一度以上は出掛け、
日記にも書く、ということを続け、現在に至っている。
(無理に、続けてきたわけではない。
あくまで、筆者の行きつけの寿司屋、で、ある、ということである。)

そして、それにともない、この日記の効果は少しずつ広がり、
太助寿司に行くたびに、
「この前、また、パソコン見て、来た人がいたよ!」
と、親方がいうように、なってきた。
(親方は、パソコン、パソコン、と、いう。ネット、ですって!)

ネットというものは、ある種、続ける、と、いうことが
力になる、メディア、でもある。
実際に、筆者のこの日記を読んで下さる方は、
(なにかの検索で、たまたま引っかかって、訪れられた方も含めて)
おかげさまで、増えている。
また、その中から、わずかずつではあるが、継続して、
読んでいただいている、“読者”と呼ばせていただける方
も増えている。

もともと、この太助寿司は、飛び込みで入る人は、ほとんどなかった。
近所への出前と、寺町という場所柄、法事に使われ、
そして、近所の会社や、筆者のような住人、ある程度、
顔見知りのお客で占められてきた、と、いってよかろう。
(それでも、この界隈、こうした営業形態では、住人は減り、
景気の低迷などで、廃業する寿司屋も少なくない。
その中で、店を張っていられる、ということは、店の持つ
潜在力の高さ、ということであろう。)
このため、電話予約をして来ても、初めてのお客さんかどうかは
判り、太助の親方は、必ず聞くようにしている、と、いう。

「パソコン、見てきたんですか?」、らしい。

この日記のページだけでなく、東京グルメのページも
相まって、この夏ぐらいからであろうか、
ネット経由のお客さんは、月に、何組か、から、
週に何組か、になっていった、と、いう。

そして、筆者が、太助に顔を出すときに
たまたま、親方がこっそり、
「ここの人、パソコン、らしいよ」と、教えてくれ、
言葉は交わさないが、実際に、見て来ていただいた、お客さんの
顔を見る、と、いうことも、あった。

そして、今日、たまたま、で、あろうが、座敷とカウンターに
一組ずつ、この日記を読んでいただいているお客さんがおられ、
親方にも、教えていもらい、
「読んでますよ」と、読者の方と言葉を交わす、機会があった。

そこで、少し、考えてしまった。
(すぐ、考えてしまうので、ある。)

現在、インターネットの世界には、様々な、個人の関わる媒体がある。
個人のホームページ、ブログ、掲示板、チャット、メルマガ、
ネットワークゲーム、SNS、などなど。
その中で、皆、様々な目的で、様々なものを、発信し、受信している。

個人の場合、ネットの中、皆が思う目的のなかで、
大きな割合を占めるものの一つは、リアル、バーチャルを含めて、
いわゆる、誰かとコミュニケーション、を
することであり、広い意味での出会い、なので、あろう。
ネットで出会い、オフ会として、リアルでも出会う、、など。
(これが男女、1対1の場合には、
いわゆる『出会い』になるのだろうが、、。)

では、筆者が、この日記を書いている目的は、なんなのか。

お気付きかどうかわからぬが、実のところ、サラリーマンの筆者が、
仕事をしながら、この日記を毎日書くのは、その準備工程も含めると、
それほど簡単なことではないのである。
風邪も引けば、仕事多忙な時もある。
正直、休みたい日も、ないことはない。

では、そんな思いまでして、書き続ける動機はなんなのか。

答えは、簡単である、「書きたいから」、である。

自分の書いた文書を、多くの人に読んでもらいたいから。
考えた、感じた何らかのものを、伝えたい、から、なのである。
個人的に、出会いたい、からでは、ないし、
また、読者の方すべてと、お友達になることが、目的ではない。

以前にも書いたが、ネットの文章というものは、
最も、真意なり、書きたいことが伝わらない媒体である。
その中でも、自分で書きたいと、思っている、ことを、
自分以上に、汲み取って下さるありがたい、読者もいらっしゃる。
しかし、それは、ほんの一握りでもあることも、
承知している。

(ついでに書くと、筆者の日記は、いわゆる、一般的で、公平な、
グルメ案内や、お店案内、下町案内、料理のレシピ案内、でもないし、
食い物のウンチク自慢、のつもりで書いてもいない。
あくまでも、前述のように、ある種、世の中一般とは違った、
もっといえば、“かたよった”、筆者の視点、好みで、思うところ、
書きたいこと、伝えたいこと、を書いているだけ、で、ある。)

ゲストブック、メール、ブログ(はてな)へのコメント
などで、様々な、メッセージをいただく。
これ自体は、基本的には、ありがたいことであるし、
また、間違いの指摘などは、むろんのこと、真摯に
受けとめるべきものであると、思っている。

しかし、筆者のこの日記を書く行為自体が、前記のような
目的であるため、返事等を書けない場合も多々ある。

しかし、そうは言っても、実際に面と向かって、
読んでいただいている方に、
「この前の、ヨシカミは、おいしそうでした」
などと、感想を聞かせていただけるのは、うれしい。
また、「落語をやる機会があるのなら、告知して下さい、
聞きに行きます」などといっていただけると、
そこまで、読んでいて下さったことに対して、
とても、かたじけなく、思われる。

これも、まぎれもない本心、で、ある。

ながなが、書いてしまったが、まとまっていないようにも思う。
ここに書き切れていない、こともあり、伝わっていないような気もするが、、、

ともあれ。
断腸亭料理日記として復活させて、一年半と少し。
なんらか、書いていて、甲斐、のようなものが
感じ取れるようになってきた昨今。
落語も含めて、自分がなにかを表現したい人間であり、
また、それを、理解していただける方も、
現れ、また、少しずつは、増やしていける、
ということが、実感できるようにもなってきた。
これから、断腸亭料理日記に、どういう展開があるのか、
また、断腸亭として、なにを、書いていくのか、していくのか、
まだ、はっきりとわからないが、もう少し、
お付き合いいただければ、ありがたく思う次第である。

P.S.
「今日の太助寿司」

これも、少し、書いておかなければならない。

うまかったもの。

大間のまぐろ。
どんなもんだい、という、絵、で、ある。


赤身でさえ、あまく、みずみずしい。


それから、青柳。
これも、よい。汐の香りが、口いっぱいに広がる。

そして、べったら漬け。


何度も書いているように思うが、東京の鮨屋、を
実感させてくれるものである。


合羽橋・太助寿司

電話番号:03-3841-4811
住所: 東京都台東区松が谷2丁目26−6




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