断腸亭料理日記2005

天ぷら

9月19日祝日(月)夜

祝日。連休最終日の夕方。

さて、なにを食べようか。
だいぶ涼しくなってきた。

家を出て、自転車に乗って、、、。
まだ、決まっていない、、、。

空を見上げる?
いや、そんなことはしない。
台東区の空を見上げる人は、いまい。

天ぷらに決めたのは、なにか、風か、空気、のようなもの、である。
夕方の、秋の空気、かも知れない。
台東区のビルの谷間でも、なんとはなしに、
秋の空気は、感じられるもの、である。

やはり、涼しくならないと、天ぷらの気分ではない。
(前回の、天ぷらは4月。しばらくやっていなかった。

前回、小柱をしこたま、食べたため、であろうか。)

よし。そうと決まれば、吉池。
しゃかしゃかこいで、御徒町まで。

なにがあるかな?

連休も最後で、少し、魚が少ないような気もする。
まずは、めごち一皿¥100、それから、穴子、二本で¥200。
いか、、。すみいか、は、売り切れ、のようである。
するめいか、は、あるが、天ぷらには、いま一つ。
捜してみたら、解凍のモロッコ産、モンゴウイカがあった。
¥425。身のみのさばかれたもの、で、ある。
(ちなみに、どうでもよいが、めごち、穴子は、
江戸前(東京湾産)、で、ある。モロッコ産が、
最も高い、というのも、多少、妙な感じではある。)

帰宅。

外出していた妻の帰宅を待って、作り始める。

めごち、は、なんと、16匹もある。
頭を落として洗ってあるようである。
以前にまったく、丸のままのものをさばいたことがあるが、
けっこうたいへんである。ぬめりがあり、背鰭なども
尖っていて、厄介なものである。
ともあれ、開いて、骨を取る。

鯵切り(包丁。小型の出刃包丁。)で腹側から中骨の際へ刃を入れ
背側の皮まで切ってしまい、骨を外す。
これを両側行い、最後に尻尾ギリギリで骨を落とす。
小さいので、少し面倒くさい。

(関東では、めごち、というが、ネズミゴチ、というのが本当の名らしい。)

これで、¥100とは、いかにも安い。
めごちは、きす、よりも安い。

さばいた、めごちは一度、冷蔵庫に入れておく。

揚げ油は使いかけがなかったので、
新しく、ごま油2にサラダオイル1程度で用意をする。

妻に、大根おろしと、天つゆ(桃屋のつゆ、原液)、皿などの
用意をさせておく。

ボールに水、氷、生卵を割りほぐし、冷卵水を作る。

ここで、油に点火。

まずは、いかから。
思ったより、大きい。また、身も厚い。
短冊(3×5cmくらい)状に切ると、6枚ほど取れた。

ボールに小麦粉を入れ、衣を作る。

いかも、うまそうである。今日は、少し衣を薄めにしてみよう。
これまでは、安全を見て、厚めにしてきた。
また、筆者、江戸前の、ドボっとした衣が好きでもある。

衣をたらし、油温をみる。
最初は、高温よりは、少し、低いあたり。
たらして、半分くらいで戻ってくる、くらいである。

二枚投入。
安定しない一回目は、少量から、である。

衣が固まるまで、手を触れない。10秒、数える。

よし。引っくり返す。

解凍もの、で、あるが、一応、刺身で食べられる。
ことになっているので、30秒程度でよかろう。

均等に熱が入り、また、ハネ防止のため、
頻繁に、引っくり返す。

30秒。OK。

上げる。

食卓へ持って行く。
妻に食べさせ、様子を聞く。

「衣が薄い?」

それは、意図である。
揚がり具合を聞いているのである。

OK。よさそうである。

どんどん揚げる。

いか、終了。

さて、めごち、である。
16匹もあるため、これは、ちょっと、たいへんである。

揚げ時間は、1分以上。
めごちは、少し長め。
油の音が、低くなってくるのを目安とした。


妻は、また、衣が薄い、といっている。
めごちは、もう少し、厚くしてもよかろう。
少し、粉を足す。

食べて、呑んでしまうと、後が続きそうにないので、
我慢して、全部揚げてから。

めごち、16匹、終了。
めごちが、山のようになってしまった。

最後の穴子。
これは、切らずに、一本そのまま。
切らないのは、初、で、ある。

めごちよりも、さらに長め。
生っぽい穴子は、食べられぬ。
完全に火を通す。


さーて。やっと食べられる。
まずは、いか、から。

まだ、温かい。

おお、これは、うまい。
肉厚で、柔らかく、衣も薄めで、揚げ具合もよかろう。
素材の威力かな、、。

さて、先に、穴子、、、。

一口、、、、。ん?、、、、

ちょっと、まだ、、、、、、

あわてて、もう一回、油に、戻す。

1本で揚げたこともあろう、若干時間が足らなかった。

改めて、食べる。

よしよし、リカバー。穴子は、ほくほく、が、うまい。

めごち。
大量に揚がってしまったが、うまい。
筆者、思うに、めごちは、きすよりも、うまいのではないかろうか。
きすは、淡白。めごちの方が、旨みが濃い。

今日は、概ね成功である。
穴子は、次回への、課題、と、しよう。


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