断腸亭料理日記2004
11月18日(木)昼
路面をもじって、路麺店と、いうらしい。
駅ではない、町なかにある、立ち喰いのそば屋である。
12月号のdancyuにも載っている。
筆者、そもそも、駅以外の立ち喰そば屋、と、いうもの、
それも、特に、チェーン店でないもの、不思議な存在であった。
主に、東京でも、千代田区、中央区、台東区が中心であろうか。
この分野の第一人者、佐藤隆二さんの「路麺浪漫」
によると、この業態、昭和30年代に発生した、ということである。
戦後である。そんなに古いものではない。
また、駅の立ち喰いの方が、先でもあるようである。
不思議な点は、なぜ、こんなところにあるのか?
という場所にある。
その立地である。
駅構内というのは、非常によくわかる。
時間がない、だから、立ち喰い。
この延長で、駅の側(そば)、というのも、まだわかる。
筆者の近所、浅草界隈にも多いが、駅からかなり離れた場所にもある。
交通量が多い通りであれば、タクシードライバーをターゲットにしている、
と、いうこともあろう。
しかし、そうでもないところ、雑居ビルが立ち並ぶ路地、
などにも、あったりする。
付近のサラリーマンであろうか。
それだけで、商売になるのであろうか。
やはり、ちと、不思議である。
この、東京最強の立ち喰いそば屋、
三崎町・とんがらしも、そんな場所にある。
水道橋の駅、西口前の通り(専大通り)を、専大方向に行き、水道橋駅と
靖国通りの、ほぼ中間地点あたりであろうか。
そんな、あいまいな、位置。
まあ、この界隈、専大に加え、日大もある。
学生も、そこそこ、多いのだろうが、、、。
(実際には、昼の客に学生はあまり、見えなかった。)
さて、12時過ぎ、店の中から、列が、外まで続き、
よく見ると、先頭は、オーダーをするカウンターである。
列は、7〜8人といったところであろうか。
待ち時間としては、10分超。
この時間は、天ぷらをオーダーが入ってから、揚げる、
というところに、由来している。
早いうまい、の立ち喰いそばとしては、かなり、矛盾している。
揚げ立ての天ぷらを使う立ち喰いそば屋は、かなり希少。
揚げ冷ましが、99%以上であろうか。
ここが、この店の、まずは、第一の「東京最強」たる所以(ゆえん)である。
そして、その次の特徴は、安くてうまくて、量がある、天ぷら。
エビ天の盛り合わせ、というのがあり、プリプリの
大振りな芝エビ(?)が四個と、大きなイカが入って、
なんと、¥400ちょっと。
そして、つゆも、しっかりしている。
これなら、待つ意味も、充分ある。
衣の感じは、カラッと、というよりは、ふっくら。
若干、粉っぽい、方向に振れるが、これはこれで、充分、うまい。
また、これだけの、分量はとても、立ち喰いそば、ではない。
存分に、一食として、なりたってしまう。
(別に、おにぎりを一個もらったのであるが、いらなかった。)
おじさんと、おばさん、夫婦でやっているが、
なかなか、このお二人とも、優しそうでよい感じである。
(立ち喰いそば屋の従業員の方は、特に、チェーン店など
忙しさのせいか、荒っぽい(恐い?)方が、いたりする。)
人柄が仕事に出るのか、仕事が人柄になるのか。
(同じことである。)
いずれにしても、
驚異の「東京最強・三崎町・立ち喰いそば・とんがらし」である。
とんがらし
TEL 03-3234-1610
〒101-0061 東京都千代田区三崎町3丁目2−10
★上記、路麺浪漫は閉鎖されていたようです。
2005/06/15
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