断腸亭料理日記2004

鍋焼きうどん

10月16日(土)第一食
あまり有名なものではないが、「うどん屋」という落語がある。
江戸の頃だろうか、明治になってからであろうか、

「な〜べ、やぁ〜〜きぃ〜〜、うどん。」

という、売り声で、冬の夜、今戸焼きの土鍋で
鍋焼きうどんを、売って歩く商売があった。
八代目、三笑亭可楽のテープがよい。
商家の小僧などが、夜の空腹を抑えるために、こっそり
呼んで、食べる、と、いうようなことがあったようである。

東京人はそば。うどんは、食べない、というイメージが強いかも知れないが、
鍋焼きうどん、は例外ではなかろうか。

寒くなると、風邪を引くと、鍋焼きうどんである。
筆者は、そば屋などでも、冬には、鍋焼きうどんを食べることがある。
えび天や、卵、かまぼこ、麩、甘く煮付けた椎茸などが入り、
寒い頃には、うまいものである。

今日は、どんよりと寒い朝。

その上、昨夜は、異動前の部署の、解散会というのか、
呑み会があり、二日酔い。

冷蔵庫を開けると、うどん玉が一つだけ、残っていた。

鍋焼きうどん、にしよう。

何を入れようか?
冷凍庫に鶏肉があったので、これ。

椎茸なんかも、よいだろう。

スライスであるのが、残念だが乾燥物はある。
お椀に乾燥スライスを10枚程度、湯を入れ、軽くレンジをかける。
椎茸も前の晩からもどすのが、本当であるが、
いつも、ふと思い立って作るため、お湯とレンジである。

えび天など、あるわけないので、これは、あきらめ。

椎茸は、10分くらい置いて、もどし汁ごと鍋に入れ、
酒、しょうゆ、砂糖で、濃い味に、煮ふくめる。

つゆは、桃屋を使うが、一応、水ではなく、出汁で伸ばそう。
麺つゆや、天つゆには、もう随分前から、拙亭では桃屋である。
濃い味好みに、桃屋が一番合っている。

鰹で、出汁を取る。
(前に書いたかも知れないが、削り節には二種類あり、出汁を取る場合は、
鰹節削り節ではなく、鰹削り節である。説明すると、長くなるので、、ご参照。)

土鍋に、出汁を入れ、解凍した鶏肉を入れ、火を通す。
桃屋のつゆを入れ、味見。
出汁が、多かったか、、、。酒、しょうゆを足す。

煮込み用のねぎを斜めに切る。

うどん、ねぎを入れ、煮込む。
鍋焼きうどんとはいえ、筆者の好みとしては、煮込み過ぎは禁物である。

冷蔵庫の野菜室に、小松菜があったので青みとして
少しだけ、ラップでくるみ、レンジ加熱。
水に晒して、絞る。

椎茸、小松菜、生卵を入れ、蓋をして半熟まで。

薬味用のねぎを、散らして、
終了。


椎茸から、甘味が出て、けっこう、つゆが甘くなってしまったが
鍋焼きは、甘めくらいがよい。

半熟卵がつゆに溶け出して、うまい。
寒くなった日、二日酔いには、よい。

断腸亭料理日記トップ | 2004日記リスト1 | 2004日記リスト2 | 2004日記リスト3 | 2004日記リスト4

2004日記リスト5 | 2004 日記リスト6 | 2004 日記リスト7 | BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2004