断腸亭料理日記2004
5月9日(土)第二食
雷門。昼過ぎ、腹が減り、ついでがあり並木藪へ。
先日来、池之端藪が二度ほど登場しているが、
今日は、並木藪。三藪(さんやぶ)の内の一つ。
神田藪、池之端藪、並木藪が三藪。
この三軒は、都内の数ある藪そばの中でも、古いといわれている。
場所は、雷門の正面の通り、雷門に向かって左。
この雷門の前のあたりは、昔、並木と呼ばれていた関係で、並木藪。
三軒の内、最もしょっぱいつゆである。
ということは、東京一、いや、日本一、いやいや、世界一!
しょっぱいと言ってもよいハズである。
土曜日。なかなかに立込んでいる。
たたきの机席、三、四卓と、小上がり。
一番奥に相席。
ここ、本当なら、酒がいい(もちろん、菊正宗!)。
つまみの焼き海苔が秀逸。
塗りの器に、入って出てくるのだが
二重底になっており、下に、炭が入ってくる。
焼きたてのままを保つためである。
車のため、酒はあきらめ、ざる二枚。
天気もよく、今日は、ざる。
ざるの場合、どこの店も同じであるが、量は知れている。
最初から、二枚。(ここは、様子を見て、時間差で運ばれる。)
久々に食べたが、やはり、しょっからい。
ベタっと浸けようものなら、とても食べられない。
先の方だけで、充分。
この店に限らないが、わさびは、つゆには入れず、
一箸ずつ、そばに付ける。
しょっぱさも、ここまで来ると、もはや、大看板である。
しかしここ、嫌いではない。
仕舞た屋風の店のたたずまいも、店の中も、作ったわけでもない、
昔ながらの浅草のそば屋そのものであるような、気がする。
並木藪、筆者には雰囲気を楽しみ、呑む店である。
並木藪蕎麦
TEL 03-3841-1340
〒111-0034 東京都台東区雷門2丁目11−9
地図
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