断腸亭料理日記2004

ポテ正のポテトフライ

1月23日(日)夜
このところ、週末毎に、風邪を引いているような気がする。

気が緩む、ということであろう。

じゃがいもが芽を出しかけている。
なにか処理をしてしまおう。

ポテトフライ。

これも、池波正太郎先生レシピである。
夏に、何回か作ってみた。

以前、東京下町の肉屋で売られていたもの。
フライドポテトではなく、ポテトフライ。

ポテトフライの好きな、正ちゃん、で、「ポテ正」、というのが
池波正太郎少年のあだ名であったようである。

じゃがいもを小さく切って、小麦粉とパン粉の衣を付けて揚げ、
ウスターソースで食べる。。
ようは、じゃがいもを潰していないコロッケ。
味も、普通のポテトコロッケにかなり近いものである。

妻に、皮を剥かせておく。

じゃがいもは、一個を、1/8に切る。
このくらいが、食べるにも、揚げるにも、ちょうどよさそうである。
油は今日は、ラード。
冷蔵庫に缶に入れて、保存してあった。

ラードは、固まっているので、湯せんし、溶かし、
揚げ鍋に移しておく。

パン粉。自家製生パン粉。
これも、弁当箱に入れたものが、冷凍庫にあった。

衣の用意。
お椀に、全卵をほぐし、冷凍庫に入れてあった、薄力粉と、
氷に冷水で軽く溶く。
天ぷらほど、神経質にはならなくともよかろう。

普通、フライものは、小麦粉→卵→パン粉、の順でつけていくが、
いつの頃からか、天ぷらのように、あらかじめ、小麦粉の衣を付けて、
パン粉をまぶす、という、作り方をしている。

衣が厚めに、しっかりつく。
薄い方が上品であるのかも知れぬが、こちらの方が、好み。
とんかつもこれである。

大きさが小さいので、手間であるが、
ぱかぱか、と、衣を付けていく。

油を熱し、揚げる。
比較的低温で、ゆっくりめ。

どうも、これだけでは、さびしいので、あり合わせで、
冷凍庫にあった、豚ばらスライスも、楊枝に刺して、揚げてみよう。

スライスを半分に切って、きれいに丸め、楊枝を挿す。

衣をつけて、揚げる。

完成。
ポテトフライは、じゃがいも二個分でも、カサとしては、多く見える。
豚バラのフライは、いらなかったか。
こんなものを作っていると、妻に、らしくない、と言われた。
筆者の料理は、最初から、これを作ろう、と決めて、材料から調達する、
ことが多い。
わがままな、男の料理の典型であろう。

ともあれ、ウスターソースをかけて、食べる。
やはり、ラードを使うと、ずいぶん味が違う。香ばしい。
なんということはないが、ポテトフライは、うまいものである。

ポテトコロッケになると、メニューのイメージポジション・価値観の割に、
手間のかかり方は、一通りではない。

それに比べれば、まだ、よい。
切って衣をつけ、揚げる、だけ。(これでも、面倒ではあるが、、。)
揚げ方を、大幅に失敗しない限り、そこそこ、うまいものができる。

即席で揚げた、豚ばらフライは、まあ、食えないものではないが、
たいしたことはない。

料理というものは、想像力ではないかと、常々思っている。
こうなったらうまいであろう、という出来上がりをイメージしながら、
そこへ向かって、味を付け、調理をしていく。

これがないと、いけない。
たいしたものは、できない。

あり合わせ、即席で、よく考えず、初めて作る。
イメージも目標も、なにもない。
したがって、うまいものができるわけがない。

今日の、豚ばらスライス揚げ、でいえば、肉を味わうのであれば、
スライスではなく、角切り、が、よいような気がする。
また、スライスであれば、アスパラなんぞを巻いてもよいのであろう。
ようは、大阪によくある、串揚げ、メニューである。
これはこれで、ある、が、ラードではないだろう。

と、まあ、考えはじめると、きりがないので、今日は、このへんで終了。


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