断腸亭料理日記2004

鬼平風?鰈煮付け

鬼平?鰈煮付け

3月31日(水)夕食 その2

昨日は御徒町のガード下で、はまった、ところまで。

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帰って、何か作ろう。
何がよかろうか。

先日、いかりや長介さんが亡くなった。

告白しなくてはならないが、筆者は池波正太郎の信者ともいえる、
大ファンであり、当然、鬼平犯科帳の大ファンでもある。

中村吉右衛門主演のTV版鬼平犯科帳もすべて、暗記するほど、見込んでいる。

いかりやさんと言えば鬼平のなかで
馬蕗の利平治という、老盗賊(嘗役)を好演されていたのを思い出す。
この話は「熱海みやげの宝物」という回なのだが、
ここで、詳しく触れている字数はない。
この回に登場する鰈の煮付けがとてもうまそうなのである。

池波正太郎先生の作品はどれも、食べ物がうまそう、であることは
かなり有名である。

舞台は、小田原あたりの茶店。少しだけ、引用させてさせていただくと、

 ・・・麦飯に大根の味噌汁。鰈の切り身を味濃く煮つけたのを、
「うまい、うまい」
 と、平蔵は二度もおかわりをし、飯を三杯も食べてしまってから、
 「われながら、おどろいたな」
 あきれ顔になったのを見て、利平治が、おもわず吹き出した。・・・
   (池波正太郎 鬼平犯科帳13巻「熱海みやげの宝物」文春文庫)

といった、ものであるが、この、味濃く煮つけた鰈(かれい)の切り身である。
これがなんとも、うまそうなのである。

今、魚の煮付けは東京でも一般的には、甘辛であると思うが、
鬼平が食べた、鰈は、私が思うに、しょうゆと酒だけで煮た、かなり辛いもの
ではないかと思っている。

東京生まれの私の父は、鰈に限らず、煮物には一切、砂糖はおろか、みりんさえ
入れさせなかった。
あまり、上品な味とも思えないが、これが、うまいのである。

さらについでだが、この場合の鰈は、子持ちでない方が合っている。
子持ち鰈は、甘辛の方がうまい。

ハナマサで冷凍の鰈の切り身を買う。

帰宅。

飯が必須であろう。米を研いで炊く。(炊飯器の早炊モード)
四枚をレンジで解凍。

湯を鍋に二つ沸かし、一応、霜降り。

水にさらし、洗ってから、文字通り、酒としょうゆのみで煮始める。
アルミホイルで落し蓋。

10分。
様子を見る、、。少し色が薄い。しょうゆを足す。

さらに10分。よいころかな、、?
まだ薄いような気がするが、飯が炊き上がるまで、火を止めて、放置。

飯が炊けた。

食う。

うわ〜、、、しょっからい、、!

食べられぬほどではないが
色の割りに、かなり塩辛くなってしまった。
しょうゆを足したのが間違っていた。

このしょうゆ、うすくち、であろうか、、?
こいくちとしてあるが、、。
\100ショップで買った、PB(プライベートブランド)である。

色も薄く、塩分だけ高く、旨みも少ないように思う。
やはり、安かろう、悪かろう、というのもあるのか。

文字通り、ほんとに下品な、食い物になってしまった。
なにか、今日は、ガード下から、散々であった。

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