断腸亭料理日記2024
4651号
9月24日(火)第一食
さて。
私には、あまり関係はないが、9月の連休も
終わった。
今日は、天気はよいが、気持ち涼しめ。
最高気温25.3℃(14時07分)。
彼岸もすぎて、やっと暦通りの秋、なのか。
いや、暑さ寒さも彼岸まで、なのだが、実際はもっと前、
9月の頭から、いわゆる秋風が吹いていたように思う。
彼岸すぎたらべら棒に暑く、今風にいえば、夏日は
もうない、ということであったのだろう。
今の天気予報を聞くと、まだ夏日はありそうなので、
やはり1か月は、ずれていそう。
能登だけでなく、米国、台湾、ネパールなど世界各地で
台風、ハリケーンなどの被害が聞こえてくる。
温暖化、だけが原因ではないのかもしれぬが、少なくとも
人類が自らの行ないで引き起こしてしまったことは
自らで食い止めなくてはいけなかろう。
己らの行ないで、己らの首を絞めている。
これを愚行というのであろう。
賢くならねば。
ともあれ。
今日は、そばだ。
どこがよかろう。
お!、そうだ。先日発見した、秋葉原の[嵯峨谷]。
あの後、一度きている。
食券制でカウンターのそばや。だが、路麺(立ち喰いそば)
というにはちょいと高く、町のそばやの値段。だが十割そばを
出している。初めてそばの香り、を、意識した。
よし、行こう。
[嵯峨谷]秋葉原店は、外神田三丁目で中央通りの
向う(西)側。
このあたり、段々新宿だったり上野だったり、ちょっと
こぎたない盛り場の裏通りの雰囲気が濃厚になってきている。
よしあしは置いておいて。
2時頃到着。
入って券売機。
ご飯もののセットがいくつかある。
先日は、鮭ご飯セット。
あれもうまかったが、今日は、他のしよう。
たれかつ丼のもりそばセット。
750円。
なんであろうか、たれかつ丼。
なに事も試み。
一つ二つ空席はあるが、ほほ満席。
なかなかの人気であろう。
あいている席を見つけ座る。
通ったお嬢さんに食券を渡す。
どうでもよいが、ここ、いつも落語が掛かっている。
店の演出なのであろう。
それも、昭和の既に故人の音ではなかろうか。
前回と前々回は同じ録音で「牛ほめ」であった。
声から古い人という感じは伝わってきたが、
そこまで有名な人ではなかったのか、私では
誰かまではわからなかった。
今日も誰かはわからなかったが、噺は「唐茄子や」
(政談ではなく、与太郎の方)であった。
やはり、今の落語家はこんな噺はしなかろう。
「牛ほめ」もそうだが、軽い噺だが、現代的には、
既にわかりにくく、たいして受けないのではなかろうか。
もし演るのであれば相当なアレンジが必要だろうが、
アレンジしてまで演る内容でもない、か。
ともあれ。
きた。
たれかつ丼にもりそばのセット。
例によって、先にそばから片付ける。
香りがつよく、cひょっと太め。
ほどよい噛み応え。
だが、喉ごしがよい。
自家製粉、十割。これをこの値段で出しているのは画期的
だという。調理場は二人。なかなかたいへんそう。
様々な努力があるのが想像できる。
そして、たれかつ丼。
福井のソースかつ丼同様の薄いかつに、掛かっているのは
ソースではなく、しょうゆの甘いたれ。天丼のどんつゆ
のような。
ほう、なるほど、こういうものか。
これはこれでわるくはない、のである。
ただ、これであれば、正直のところ、福井のソースの方が
私にはうまい、か。
あとで、ちょいと調べてみたら、たれかつ丼というのは、
この店のオリジナルではなく、世の中に存在する
メニューであることがわかった。
ご存知の方は、おられようか。
どうも、新潟のもののよう。
新潟(市?)では、あたり前の郷土食といってもよい
もののよう。
ソースかつ丼を始め、全国各地に、様々なかつ丼が
ある。おそらく、かつ丼が生まれた大正から昭和初期
いろいろな形のかつ丼が生まれ、その一つが、
このたれかつ丼なのであろう。
ここの社長さん(?)が新潟出身なのか。
わからぬが。
そして、新潟たれかつ丼、東京にも出てきている店が
あるよう。
今度行ってみるか。
千代田区外神田3-10-7 ランドプール秋葉原1F
03-3525-4030
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