断腸亭料理日記2024
4649号
9月20日(金)第一食
午前中、パラっと降ったよう。
午後、雲はあるが晴れ。
最高気温は33.9℃(14時09分)。
暑いことは暑いが、そろそろ猛暑日は
東京ではなくなったか。
さすがに秋が近づいている。
今日は、鮨を喰おう。
雷門の[まぐろ人]立ち喰い。
ここのところ、入れないということはないが、
さて、今日はどうか。
雷門付近の人通りもピークよりは心なしか
少ないよう。
きてみると、やはり入れた。
またまた、先客二組、三組で、すべて外国人。
欧米系?、アジア系?、色々。
店にとっては、外人観光客がいなければ商売も
随分凹んでしまうということになろう。
喜ぶべきこと。
ただ、あまり行儀のわるいのがいないという
但し書きを私は付けたいが。
やっぱりビール。
ジョッキのスーパードライ。
いつも通り、白身といか、から。
定番の白身が、鰈から平目に戻った。
やはり、季節の変わり目。
ここで鯛は、皮付きが多いと思うが今日は
ノーマルな皮なし。
もう一回、白身と、
いか。
いかといえば、先のすみいかに江戸前鮨はとどめを刺すが
ここはいつももう一種類ある。やりいか。右。
包丁目が入っている。
やりいかは火を通しても柔らかいが、生でも柔らかい。
すみいかとも違うあまみ。
そして、中央がかんぱち、左がしまあじ、と、
いつものメンツ。
次は、光物。
右、8月、前回もあったが、秋刀魚。
やはり今年はある程度獲れているのか。
ただ、昔のように、べら棒な脂というのは、ない。
あまり脂がありすぎると、にぎり鮨には不向きなのか
よく炙っていたが、このくらいだとむしろちょうどよい
かもしれない。
中、鯵。左、鰯。
どちらも過不足なく、鰯は鰯らしく、鯵は鰺らしく、
うまい。
小肌と〆鯖。
小肌は大きいもの。新子サイズはもうないか。
8月まで、白身がもう少しあったが、今日は
ふぐ、のみ。
このコリっとした食感が身上であろう。
うまい。
ビールを呑み終わり、味噌汁とお茶をもらう。
味噌汁は、いつも通り浅利。
蒸し鮑(あわび)。
甘たれを塗ったもの。
鮑は夏のものだが、そろそろ終わり、かもしれぬ。
塩でゆでてまた、そのゆで汁で煮含めるという
手の掛かる拵えをしていると思うのだが、自家製で
あろう。
貝類は、このところあった好物の平貝は、今日はなし。
聞くと、市場にもない、とのこと。
やはり、あまり安定していないのか。
しらす軍艦。
生の白魚軍艦に近い。あれもうまいが、
これも、うまいもんである。
生しらす自体はあまり食べない。湘南で名物の生しらす丼
などあるが、あまり食指は動かない。あんなにはいらない。
ヘビーというのか、やはり生ぐさいかろう。
このくらいの量でよい。海苔と酢飯としょうゆ、生しらすの
組み合わせは、意外によい。
まぐろ。
づけと中とろ。
毎度書いているが、ここはまぐろの店。
見よ、この中とろの、美しさ。
大とろよりも上品であろう。
もちろん、生、であろう。
そして、もちろん、うまい。
づけも塩梅よし。
最後はこれ。
いつも通りの鉄火巻。
細巻。
手巻きではいけない。
鮨やの最後の注文は巻物と昔から決まっている。
そのわけは、腹を一杯にするため、である。
とあるところで、覚えたが、中太巻きというのか、
海苔を90度回して巻く。そうすると少し太くなる。
より、腹を一杯にできる。
ともあれ。
うまかった、うまかった。
腹一杯。
勘定は、ねたもちょっと少な目だったので、
多少安いかと思ったが、やっぱり4000円ちょいで、
いつも通り。
ご馳走様でした。
台東区雷門2-18-12
03-3847-7139
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