断腸亭料理日記2024
4657号
10月12日(土)夜
さて、今日は、寒くなってきたので、鍋。
神田須田町の鳥すきやき[ぼたん]。
まあ、元来、東京の鍋は、暑中に元気を付けるという意味で
夏のものであったのだが、まあ、今は寒いとき、で
よいだろう。
ちなみに、ここも池波正太郎先生行き付けであった、
池波レシピ、で、ある。
内儀(かみ)さんが予約を取っていたのだが、なかなか
取りずらかったよう。
まあ、実のところ、ここにたどり着くまでも
なん軒も振られている。
土日は、もういつも行っているところが、軒並み
予約が取れない。観光客も多いのだろが。
17時の予約。
タクシーで向かう。
まだ、明るい。
門に玄関。鳥、ぼたん。
暖簾には連雀町と、旧町名。
明治30年(1897)年頃と、はっきりはしていないのか、
まあ、ともかくも100年は越えている大老舗。
暖簾を分けて入り、名乗る。
下足場で靴を脱いで、あがる。
二階。
最近、どうも二階の大広間が多い。
それまで、二階は一度もなかった。
代替わりでもしたのか、ちょっとここ趣き、
客あしらいが、変わっているように思う。
よい方に。
さすがにこの時刻、先客はおらず一番奥のお膳。
この額、今回、女将が言っていたが、初めて聞いた。
なんと、敬天愛人。
まあ、私にはまったく読めぬが。
思い当たられる方はおられようか。
そう、西郷隆盛の座右の銘であり、自らの書、とのこと。
偽物も履いて捨てるほどありそうだが、本物、と。
そんなことで、鍋。
名入り。
炭火。
鳥すき、一人前9000円也。
便ビールを頼んで、お通し。
ささみ。
酢のもので、ゆでた三つ葉入り。
わさびが添えられ、さわやかで、乙。
具材もきた。
鶏肉も、もつ、皮なども含めて色んな部位で、
色んな形に切ってある。
基本的には、火が通りやすいように考えられたもの。
つくねもある。
野菜は長ねぎのみ。
やはり、江戸・東京の伝統的鍋はあまりごたごた
入れないのがスタイルといってよい。
他に、焼豆腐、白滝。
これだけ。
つゆは、いわゆる濃い甘辛の割り下と、煮詰まった時のための
薄い出汁。
そして、玉子。
最初はお姐さんがきれいに鍋に入れてくれる。
鶏は、岩手二戸のあべどり、とのこと。
玉子はオレンジ色に近い、群馬のものという。
煮えてきたら、そばから、食べる。
割り下は、濃いめで、なにか独特のうまみが
加えられると、思われる。
これが、うまい。
もつは、レバーと砂肝あたりか。
ねぎは、きれいに太さが揃っている。
白滝は、毎度書いているが、細い方が私は好みだが、
ここのは、ノーマルか。
ただ、重めの鶏のすき焼きだと、これでもよいか。
食べる。
食べたら、足す。
また食べる。
二人前だが、かなり量がある。
終盤が近づいて、ある程度残して、
ご飯を頼む。
親子丼だったりも頼めるが、ノーマルなご飯。
白いご飯、お新香。
白菜、きゅうり、沢庵。
まあ、なんということない、東京の正しいお新香。
これも漬物ではなく、新香であろう。
ご飯の上に、残った肉やらねぎやら、煮詰まった
つゆをのせ、さらに残った玉子もぶっかけ、
食べる。
もちろん、これも、うまい。
デザート、水菓子。
梨。
長野県産南水とのこと。
かなり甘い。
うまかった、うまかった。
腹一杯、腹一杯。
ご馳走様でした。
座敷で勘定。
ご馳走様でした。
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