断腸亭料理日記2024

稲荷町・中国意境菜・白燕 その1

4658号

10月13日(日)夜

さて。
ご近所、稲荷町交差点そばの、中国料理[白燕(ばいえん)]。

シェフが、例によって海外行脚して、帰ってこられた。
今回は、カナダとのこと。

ともあれ。
予約を入れ、今は上海蟹のシーズンなのだが、
実は、私、上海蟹が、苦手で、北京ダックのコースに
してもらうことにした。
まあ、食べず嫌いということもありそうだが、以前に
食べた紹興酒漬けが、かなり生ぐさく以来食べていない
のである。

18時から。
内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、出掛ける。

階段をあがって、入る。

シェフにご挨拶。
今日は、女性のヘルプもあるよう。

奥のテーブル。
瓶ビールをもらい、最初は、これ。

いつも通り、スペシャリテ、りんご飴。
と、言っているが、中身はスモークしたフォアグラで
甘酸っぱく赤いゼリーで覆っているもの。

これもいつも通り、前菜セット。

上がここ定番のよだれ鶏。たれの味付けはいつも通り
なのだが、鶏が千葉の平飼の銘柄鶏、古白(こはく)鶏、
とのこと。

左がサーモン麹漬け、上にのっているのが、
シェフ出身の愛媛早生みかんで、さわやか。

右が叉焼なのだが、脂があるので豚バラか。
カナダのメープルシロップで仕上げている。
叉焼を甘く仕上げるのは中華では昔からある
と思うが、メープルシロップは甘いが、
さっぱりした甘さ。おもしろい。

点心。

水餃子。これは、いつも通り。
野菜多めで、うまい。

そして、スープ。

これもいつも通り、豚バラ先軟骨ベースの薬膳。

毎回、違った様々な生薬が入っている。

今回は、これ。

緑豆と白扁豆(はくへんず)。白扁豆は日本では
藤豆といわれているインゲンに近い豆のよう。
これに、くるみ、梨。
滋味深い、スープ。

と、ここから、北京ダック。

皮で巻く際に入れる、味噌と野菜。

野菜は、三つ並んだ上が細く切った赤かぶ。
日本ではあまり見ないが、北京では定番のよう。
きゅうり、ねぎ。
味噌は、定番の甜麺醤系の甘味噌、ブルーベリーの入った味噌、
そして、甘辛の味噌の三種。

そして、きた。

丸ごと一羽。
一度下げられて、

最初は、これ。

グラニュー糖が入った小皿に、肉なしの皮一枚のみ。

ここのシェフのベースは北京料理なので、これは
ホームの料理といってよいのだろう。

しかし、考えてみれば、北京ダック、不思議な料理
で、ある。
パリパリのアヒル(鴨)の皮だけを食す。
まあ、もちろん、うまいのだが。
究極、この一枚を食べるために一羽使う。

やはり明の都、南京で産まれ、清に受け継がれた
宮廷料理がルーツのよう。
はー、なるほど。

そして、大きな皿で登場。

今度は肉が付いているものもある。

最初の皮一枚は、きっと場所が決まっている
のであろう。
で、これは、それ以外の皮ということになるのか。

皮、かお(火偏に考)鴨餅(カオヤーピン)も出てきて、
先ほどの味噌と野菜とともに、最初はお姐さんが
巻いてくれる。

やっぱり、うまいもんである。

この皮、かお鴨餅は、小麦粉で、まあ餃子など点心の
皮同様のようだが、蒸して作るよう。

ブルーベリーのたれは甘いのだが、さわやか。

甘辛は、スパイシーの辛さではなく、いわゆる
塩味の入った、甘から。

アヒルの皮をパリパリに焼いたもの+肉に、甘い味噌、
さっぱりする野菜、小麦の皮の組み合わせ。

アヒルの皮を最もうまく食べる食べ方として、ここに
たどり着いた、のであろう。
どこへ行ってもこれ。
ある意味、完成している。

先日の中国飯店でもそうであったが、普通、北京ダックは
皮だけを巻いて食べる、ここで終わり、なのだが、
恐るべし、流石[白燕]、まだまだつづく。

 


白燕

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台東区元浅草2−7−10
オルタンシアIV 2F

 

 

 

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