断腸亭料理日記2024

鶏と大根の鍋

4677号

11月11日(月)夜

さて、また、鍋。

さらに続くが、池波レシピ。

昨日、蛤の湯豆腐を食べたが、もう一つ。
よくよく考えて、今、食べたい池波レシピ鍋。

それが、鶏と大根の鍋

これは、エッセイではなく、仕掛人藤枝梅安シリーズ。
「梅安針供養」

実際に先生が食べていたのか、エッセイなどに出てきて
いたのか、は、私は確認できていない。
ただ、先生のこと、必ず食べいるはず。

池波先生は実証主義者だったのではなかろうか。
作品内の時代考証、この時代にこの食べ物があったか
など、きちんと調べられていたと聞く。また、作品の
リアリティーを出すために食べ物を出している、とも
語られている。もちろん、食いしん坊でもある。

これも、簡単。
鶏の出汁で大根を煮て、しょうゆだけ掛けて
食べる、というもの。
原作は「ぶつ切りにした大根と油揚げの細切り。それに
鶏の皮と脂身を薄めの出汁をたっぷり張った鍋で煮ながら
食べる。」とある。

ここから、私は鶏手羽先を水から柔らかく煮て、これで
大根を煮る、と改作している。

手羽先からは脂も出汁も出るので手間が掛からぬ。

スーパーで買出し。

手羽先を1パックと大根。

まったく、大根も高い。
1/3の葉っぱ寄りの部分。これで100円弱。
まあ、この量で十分ではあるが。

それから、今日は、ちょいと思い付き、鶏胸肉の
挽肉も。団子にして入れてみようか。
そして、油揚げ。これも欠かせない。

以上。
やっぱりシンプル。

まずは、鶏手羽。

洗って、圧力鍋へ。水は出汁にするので、
ヒタヒタの2倍〜3倍。

原作は薄味の出汁と書かれている。
東京人の池波先生なので、ここの出汁はおそらく
しょうゆを少し、薄味を付けた、程度のイメージだと
思われる。別段、昆布やら、鰹から取った出汁では
ないと考えるのが正しいかろう。

味は後で自由に付けられるので、私は水にしている。

圧力鍋のふたをして点火。

圧が上がって、5分。
止めて、あとは放置調理。

私が圧力鍋を使う場合は、ほぼこれ一本。

鶏手羽はこれでホロホロまでいかぬが、するっと
骨離れがよくなる。そして、もちろん出汁も出る。

ここで大根を一緒に入れて煮てしまっても
よさそうだが、やはり、大根の方が先に柔らかくなると
思われるし、大根はこの鍋の場合、おでん程度だと、
柔らかすぎると思われる。まあ、これは好みの問題だが。
ともあれ、厚めに切って1/4の銀杏切りにしておく。

圧力鍋、放置後、30分。

開けて、大根も投入。

ご存知のように、厚めに切った大根は煮えるのに
時間が掛かるので、気長に。

鶏胸の挽肉は丸める。
特に味は付けないでみる。

団子も入れ、短冊に切った油揚げも投入。

弱火で2〜30分、、であったか。

大根に串を刺して、煮え具合を確認。

煮えたら、OK。

やっぱり火鉢に火を入れる。

火鉢に移動。

今日は、ビール。

鍋が熱いし、火鉢も熱い。
昨日なども、食べているうちに、暑くなったのである。

原作通り、掛けるのは、しょうゆだけ。

基本、この鍋は大根を味わうという料理、なのである。

実はこれ、今回もやってみたが、大根を味わう
という意味では、もっとシンプルに塩のみでもよい、
のである。これも、うまい。

手羽先は、出汁だがもちろん食べる。
これも、柔らかく煮えており、うまい。

そして、鶏団子。
これは、まあ、これでよいのだが、胸ではなく、
ももの方が、よかった。
皮、あるいは皮からの脂などが入っていたり、
多少の食感の変化があったほうが、うまかろう。
だが、普通、鶏挽肉はあえて胸、もも、と
分けていない方が多いと思うが。

こうなってくると、白滝だったり、ねぎだったり、
他の具材も入れたくなってくるのだが、それはやはり、
断じてしてはいけないかろう。それはもう、大根の
入った、鶏の水炊きである。

考えるとすると、大根の方かもしれぬ。
ちょっとよいもの?。もちろん1/3切りのもの
などではなく。

ともあれ、素朴。よい鍋、で、ある。

 

 

 

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