断腸亭料理日記2024
4673号
11月4日(月)夜
さて、文化の日の振り替え休日。
え?、文化の日って、なんだっけ。
体育の日が、今はスポーツの日になっているが、
元来の体育の日は10月10日で、昭和39年(1964年)の
東京オリンピックの開会式の日。
対をなしているのかと思うと、そうでもない。
文化の日は、昭和21年(1946年)11月3日が日本国憲法公布
の日で、その記念。
が、ちょいと調べると、その前があった。
ご存知の方はおられようか。
11月3日は、明治天皇の誕生日。明治期は天長節、
その後は、明治節といっていた休日。(まあ、ただの休日
出はなかったと思うが。)これを受け継いでもいる。
へー、知らなかった。これは、たまたまではなかろう。
休日は減らしたくなし、この日を戦後、憲法公布の日にして、
その後休日として踏襲する。まあ、リーズナブル。
平和憲法であるし。
閑話休題。
休日なので、第一食は[吉野家]。
場所は田原町。
その後、浅草ロックスの西友にまわる。
最近、西友でも肉類はどれも妙に高い。
感覚的には、以前の1.5倍から2倍にもなるのでは、
なかろうか。
それで、魚。
相対的に、割安に感じる。
今日、目に付いたのは、やっぱり、ぶり。
少し前にも照焼を書いたような気がするが、
今日も、同様に安い。
天然もので、切り身二つで、325円。
これ。
鳥取産。境港か。
ちょっと小型のようだが、みずみずしい。
書いている通り、最近ぶりはよく獲れている。
養殖も昔から盛んに行われている。
東日本は鮭だが、西日本では正月などの儀礼魚。
文化的にも重要な魚である。
CMでやっているが、最近は輸出もしているよう。
生息地域は、日本近海だけかと思いきや、意外に広く、
北西太平洋に広くいるよう。ただ、やっぱり多くは
日本近海、とのこと。
フライパンで毎度お馴染みの照焼、も、簡単でよい
のだが、さすがに、飽きてくるし、芸もない。
ムニエルにでもできまいか。
ぶりのムニエル、というのをちょっと調べると、
意外にたくさんレシピ例はあるよう。
やってみようか。
ソースに多少工夫があるよう。
バターとレモンというのをやってみよう。
まず、洗って、水分を拭き取り、両面塩胡椒。
両面に小麦粉。
やっぱり、ムニエルのソースの場合パセリは必須。
みじん切り。
まだまだ、冷凍したのが残っている。
切ってすぐ使う分には冷凍でもOKである。
フライパンを熱し、たっぷりのオリーブオイル。
ぶりを投入。
ムニエルのセオリー通り、一応、上からスプーンで油を
掛けながら、中火。
上からも熱を入れる、というのもあるが、先に、
小麦粉の表面を固めておく、という効果もある。
いい色になってきたら、ひっくり返す。
反対側もいい色まで。
ここまでして、置いておく。
別のフライパンを用意し、ソース作り。
バター、これは、有塩。
溶かして、泡を立て、パセリみじん切り投入。
いつも多少迷うのだが、パセリを焦がしては
いけないのであろう。
レモン果汁、適量。
ぶりだからか、しょうゆ、小さじ1。
ほぼ、隠し味であろう。
酸味を多少飛ばしたい、さっと加熱し、
火を止める。
盛り付け。
ぶりをのせ、ソースを上から掛け回す。
出来上がり。
ビールを開けて、切る。
もちろん、切り身なので、火が通っていない心配は、ない。
塩加減もよろしい。
最初の塩胡椒だけで、後は有塩のバターの塩味、
ほんの少しのしょうゆ。
レモンが爽やか。
酸っぱすぎず、よい。
そう、しょうゆは、案の定ほぼ感じないほど。
感じられるほど入れた方がよかったかもしれぬ、か。
だがこれ、どうなのであろうか。
フレンチのムニエルだったら、平目、鰈が多いが、
白身ならば、ある程度多くの魚でいけるのだろう。
つまり、ぶりならではの味付け、調理法ではない。
ムニエルは目先が変わり、うまいのだが、やっぱり、
ぶりは、慣れたしょうゆの甘辛が結局、ベスト、
という感想、で、ある。
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