断腸亭料理日記2024

日本橋高島屋特別食堂・うなぎ・五代目野田岩

4622号

8月11日(日)夜

さて。
日曜日。

いつものことだが、日曜にうなぎが食べたいと、
ちょいと困る。お休みのところが多いので。

そんな時によいのが、日本橋高島屋特別食堂

もちろん、麻布[野田岩]。

本店は麻布の麻布一丁目、まあ、飯倉。
東京タワーの西、桜田通り沿い。

創業は江戸時代、寛政年間(1789年〜1801年)という。
将軍は家斉、松平定信の寛政の改革の頃。
寛政10年(1798年)が江戸時代のちょうど真ん中。
にぎり鮨の文政期よりも50年程度早い。

東京で寛政年間創業といっているうなぎやは数軒あり
おそらくこの頃が最古。
今に続く、開いて、蒸してしょうゆで甘辛に焼く
うなぎ蒲焼が産まれたのがこの頃といわれる。
これも文献があるようなので正しいのであろう。
ウィキ

日本橋高島屋の特別食堂というのはいつからあるのかは
調べたことがないが、いわゆる昔からある、百貨店の
上層階にあるいろんな料理が食べられる食堂。
“特別”と付いているので、上級の食堂(?)。

私が知ったのは、池波先生。
エッセイによく登場していた。
銀座、日本橋で買い物をされる際に、よく寄られていた。

洋食は帝国ホテルなど有名どころが入り、
うなぎは[野田岩]が以前から入っていた。

少し前まで、運営というのかサービスは高島屋自身
がやっていたが、最近、これも帝国ホテルになり、
隙のないものになっている。

ここは、食堂なのでもちろん通し。
ただ予約はできない。
行って、待つ。

順番がくるとTELで呼び出してくれるので、
待っている間に、高島屋店内をまわっていても
よいので間は持つ。

17時頃、到着。
本館の8F。エレベーターであがって、右方向。
受け付け。20〜30分程度と言われる。
ここに静かなロビーもあるので、特にあてもないし、
歩くのも面倒なので待つことにする。

実際に待ったのは、15分程度であったか。意外に早い。

帝国ホテルのサービスなので、にこやかだが
隙がない。

テーブルに案内される。
掛けて、ビール。
ビールは3社用意があるが、キリンは一番搾りなので、
サッポロ黒ラベルを。

注文は、ノーマルに、二人で白焼き一人前と、
お重は一番下の梅。

白焼きからくる。

わさびと塩、しょうゆ。
器は赤く塗られているが金属製。
下にお湯が入っており、温まっている。

野田岩は本店もこの器。
白焼きは、冷めるのが命取りということであろう。

アップ。

塩ではなく、やっぱり私はわさびじょうゆがよい。

さっぱり、ふっくら。よい脂。

お重もきた。

お新香は、大根、にんじん、きゅうり、葉っぱは
細かく切ったキャベツ。
どれもシャッキリ、よい加減。

丸いのは大根おろし。

お重のふたなのだが、この絵は帆掛け舟だが、
どこのものであろうか。隅田川の白魚漁?。
なにか網を曳いているようだが。

お重とお椀を開ける。

お椀はもちろん、肝吸い。

お重に、山椒。

この山椒はちょっと緑で、フレッシュ。
よい香り。

野田岩の蒲焼の味の特徴は、やはり、ちょっと軽めと
いったらよいか。

ご近所の小島町[やしま]だったり、浅草あたりの
蒲焼は、いつも江戸前の辛口、などと書くのだが、
やはり近いのではなかろうか。
甘味はおさえ気味で、きりっとしょうゆが立つ。

そのバランスから気持ちしょうゆをおさえた感じ、か。

そして、昔から言われるのは野田岩の焼きの技。

私には店による違いまではわからないが、これを
極上というのか。

今年なん回か食べた、岐阜の[美濃金]名古屋以西の
蒸さないパリッと焼き上がったものとはもちろん違う
東日本の焼き上がり。

その上で、全体に均等にムラなくよい色に
焼き上がっているのが特徴といってよいように思う。

そして、これはたれの違いもあるのだろうが、
いわゆるテカリは少ない。

まあ、どっちにしても、うまい、うな重。

夢中で掻っ込む。

食べ終わり、上品なサービスで、お茶。

ご馳走様でした。

会計は二人で18,271円也。

おいしかったです。

?


日本橋高島屋特別食堂

野田岩

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 | 2023 1月 | 2023 2月 | 2023 3月 | 2023 4月 | 2023 5月 |

2023 6月 | 2023 7月 | 2023 8月 | 2023 9月 | 2023 10月 | 2023 11月 | 2023 12月 |

2024 1月 | 2024 2月 | 2024 3月 | 2024 4月 | 2024 5月 | 2024 6月 | 2024 7月 | 2024 8月 |

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2024