断腸亭料理日記2023

鮨・浅草まぐろ人・新仲見世通り店(本店)

4447号

11月11日(日)第一食

少し前から、行こうと思っていたのだ。
鮨や。[浅草まぐろ人]の立ち喰い、雷門店。

15時。

が、きてみると、珍しく(?)満員。
外国人観光客も見える。
土日でもこのあたりの時刻は、楽に入れた
のである。
とうとう、ここも、か。

どうしよう。

ん!そうだ。

こうなったら、初めてだが、ここの新仲の本店を
のぞいてみようか。
本店は新仲見世通りといっても、東武浅草駅寄りで
マックの前。

きてみると、こっちはかなりあいてる。
ラッキー。
入ると奥に向かって長いカウンター、さらに奥に
テーブル席。

板さんは二人。カウンター奥の板さんの前に。

掛けて、お酒、ぬる燗できますか?、と、聞いてみる。
お燗機だと、ぬる燗などできない。

今日も薄いステンカラーに自転車用のグローブをしてきたが、
そろそろ、燗酒の季節。

きた。

呑むと、ちゃんとぬる燗。

さて、にぎり。

もちろん、白身といか、から。

左から、すみいか、平目、鯛。

このすみいか、なかなかなものではなかろうか。
新いかというにはもちろん大きいが、食感は
大人の甲いかではない。柔らかな歯あたり。
平目も鯛もうまい。「立ち喰い」と同じもので
あろうか。

次は、光物。

左から、秋刀魚、しまあじ、かんぱち。
しまあじ、かんぱちの連続はいつも通り。
やっぱり、こうして並べて食べると違いがほぼわからないが、
どちらもうまいことは間違いない。
秋刀魚はもうなん年も生も焼いたものも食べていなかった。
ご存知の通り、不漁が続いているので。
どんなものか試みに頼んでみたのだが、やはり、往年の脂の
乗り切ったものには遠く及ばない。

光物は、続く。

小肌、〆鯖、鰯。
小肌は、半身。小肌、〆鯖ともによい塩梅に
〆られている。
鰯は、先日も書いたが、今は脂はないが、
そんな鰯の身の味も私は好きである。
(そうそう、今の秋刀魚はちょっと身の堅い、鰯?。
どちらもにしんの類なので、近いのである。)

このあたりで酒を呑み終り、お茶と、味噌汁を頼む。
味噌汁は、日替わりで、今日はねぎま汁とのこと。

ねぎま汁。

ねぎまは、ねぎとまぐろのこと。
ねぎを長く切ってほぐし、なかなかよい表情をしている、
と、思うのである。まぐろは薄めの角切り。
血合いなどではなく、意外に脂のあるところで柔らかい。
流石、まぐろ仲卸の鮨や。

光物最後、と軍艦二つ。

左、鯵。これで光物食べ尽くし。
鯵もやっぱりむろんのこと、ちゃんとしている。

軍艦は、中、牡蠣、右、白子。
こういう軍艦はこういう鮨やでしか食べられぬ。
むろん、種はいい加減なものではない。
にぎり鮨として江戸前本寸法からは外れているので、
長く食べてこなかった。私の持論は酢飯とにぎって
刺身よりうまくなるのか、ということ。
だが、たまにはこういうのも食べてもよいではないか、と。
牡蠣、白子をそれだけで食べるのと、同じかというと
当然そうではない。もちろん、他の伝統的にぎりに
比べれば、酢飯との相性がよいわけではないが、これは
これで存在する意義は大いにある。ちょいと一口、牡蠣と
白子が食えるのである。

次は貝、と、にぎりのイレギュラー種。

貝は、なんといっても私は平貝。
右、なのだが、え、これ平貝、と板さんに聞いてしまった。
真っ白い部分がなんなのか、よくわからぬが、食べると
ちゃんと平貝。
左は、ふぐ。
これも軍艦同様、こういうところでしか食べられぬ。
食感、歯応え命。うまい。

そろそろ終盤、づけまぐろ、白魚軍艦。

白魚も、うまい。
これは江戸前伝統ネタだが、昔はゆでたものを
握っていた。食べ比べたことがあるが、やはり
この生の軍艦が一番うまい。

まぐろが看板のこの店。
丁寧な仕込みのづけ。きれいな仕上がり。
あまい。

いつも通り最後に巻物で、と、思っていたが、
既に、かなりの満腹。

立ち喰いの雷門店よりも多く食べてしまったか。

お勘定。
5000円ちょっと。

やはり。

今日は、16個。調べると雷門店の前回は巻物入れて
同じく16個。気持〜ち、こちらが高いのか。
まあ、誤差の範囲か。

ともあれ、うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

 

鮨・浅草まぐろ人・新仲見世通り店(本店)

台東区浅草1-1-11
03-5828-5838

 

 

 

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