断腸亭料理日記2023

麻婆豆腐

4377号

7月17日(月)海の日 夜

さて。

暑くなると、もう一つ。

麻婆豆腐!。

昔から自分でも作るし、最近は赤坂[四川飯店]でも
定期的に食べている。

昨年あたりからであったか、豆チ醤というのを見つけて
使い始め、味が安定してきた。

私など、日本人はやはり、辛みや、香りのスパイス類を
使った料理というのには、根本的に勘が働かない
ようである。

もちろん、食べるには、うまい、というのはわかる。

が、作るとなると、辛みや香りを使い分けるということが
本当のところはできないような気がしている。

日本食であれば、しょうゆ、味噌、塩、酢、その他、
食べたものを、再現しろ、と言われれば、ある程度
できる自信はある。
つまり食べただけで、なにが入っていて、どういう調理
をすれば、こういう味になるのか、予想ができる。

人間の味覚というのは、ある程度子供の頃に
完成されているのであろう。
子供の頃に接した食い物には、勘が働くが、
そうでないものは、直感的には、わからない、
ということなのでは、なかろうか。

それで、麻婆だったり、インドのカレーは、
どうしても苦労する。

決まったレシピはできるが、勝手にアレンジする
なんということはとてもできない。
微妙な違いが、わからないのである。

なんとなく、伝わろうか。

買出しは、豚挽き肉と、ねぎ。
調味料類は、すべてある。

ますは、豆腐を賽の目に切って、鍋でゆでる。

そういえば、先年亡くなった二代目建一氏の
インタビュー番組であったか、懐古する番組で
建一氏は、麻婆豆腐の豆腐はゆでない、といっていた。

麻婆豆腐の豆腐をゆでておくというのは、
崩さないためのセオリーとして聞いていた
のであるが、元祖の建一氏のレシピでは、
やっていなかったということ。

まあ、これ、どちらでもよい、ということなので
あろう。

煮立ったら、すぐに弱火。
10分ほど置いて、火をとめておく。

にんにくと生姜の用意。
にんにくは一かけら、包丁の腹で潰す。
生姜はスライス。

中華鍋を熱する。
油をまわし、にんにく、生姜から投入。
香りを出し、豆板醤。

馴染ませて、挽肉投入。

ちょっと多いが、余らせてもしょうがない。
パック全部入れてしまう。

よく炒める。

しっかり油を出るまで。

甜麺醤。

馴染みやすいように、少し、水。
豆チ醤ちょっと多め。紹興酒、しょうゆ、沙茶?、味覇。
それから、赤唐辛子粉末。

よく和えて、水。
挽肉が多いので、いつもより多めに。

ゆでた豆腐を投入。

ねぎみじん切りも用意。投入。

ラー油。
ここで味見。

OK。

水溶き片栗粉を用意し、まわしながら入れる。
火は止めない。

軽く煮込み。

花椒の用意。
あたり鉢で潰す。

皿に盛り付け、花椒を散らす。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

いつも通り、上々。

先に、麻婆やカレーなどスパイシーなものは
私は味の勘が働かないと書いた。
麻婆豆腐のレシピには砂糖を入れるというものが
少なくない。
これ、どうしても違和感があったのである。
唐辛子を入れるものに砂糖とは、と!。

が、最近やっとわかってきた。
今も書いている通り、砂糖は入れていない
が、甘い甜麺醤はしっかりとわかる程度は入れる
ようにしている。
甘すぎとやはり私には違和感があるのだが、
麻婆豆腐には、唐辛子の辛み、花椒の麻(痺れ)、
味噌、しょうゆ系の塩味、そして甜麺醤系の甘味が
必要である。
これにやっと気が付いた、のである。
これでうまい麻婆豆腐になる。

20代から麻婆豆腐は作っているが、今さら気が付く
というのは、まあ、オソマキトンガラシ、で、
あろう。

 

 

 

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