断腸亭料理日記2023
4381号
7月28日(金)夜
なにを食べようか、毎日なかなか苦闘しているが、
今日思い付いたのは、揚げ物。
なにか揚げ物が食べたい。
じゃがいものコロッケ?。
少し前に作った。
では、なんだ?。
とんかつなら[蓬莱屋]で食べたし。
ビーフカツ?。
うん。
ビーフカツがいい。
ビーフカツ、牛カツ。
人形町の[そよいち]?。
この暑いのに、あそこまで出かける気にはならぬ。
自分で揚げるか。
肉はヒレ、か。
少なくとも、買出しに出ねば。
浅草松屋の[日山]、だ。
16時頃、多少は涼しくなったか?。
まだまだ暑いが、帽子をかぶって、自転車で出る。
この酷暑で、外国人観光客もたいへんである。
このところ、浅草には近付いていなかったが、
心なしか、人出も少ない、か。
一応、雷門の牛肉や[松喜]ものぞいてみる。
牛ヒレはあるが、黒毛和牛で一切れ、3000円超。
[日山]へ。
牛ヒレは二種類。
日山特選和牛肉(国産)、というのと、
冠がないただの国産牛。
特選の方が高いのかと思うと、グラム単価102円、
ノーマルな方が同114円。
一つずつ、買ってみようか。
試しだ。
付け合わせはなににしようか。
松屋、野菜売り場をのぞいてみる。
新じゃが、茨城産、小さめのメークイーン。
レンジで蒸(ふ)かして、バターでも落とすか。
それから、キャベツ千切りがほしい。
牛カツは、フレンチではなく、洋食なので、
キャベツ千切りにソースをかけるのが
よいだろう。
帰宅。
これ。
フライなので、常温に置いておこう。
夜、作り始める。
肉。
食べ比べするため、どちらがどちらか、
取り違えぬようせねば。
個体識別番号。
上が国産牛肉で、母牛は交雑種、千葉産2歳雌。
下が特選で母牛が黒毛和牛、岩手産2歳半雌。
特選は黒毛和牛だが、霜降りという感じではない。
どちらも同じくらい。
じゃがいもは水でよく洗う。
皿に載せラップしレンジ加熱。柔らかくなるまで。
トータルで10分程度か。
柔らかくして、スタンバイ。
同時進行で、油をスタンバイし、余熱開始。
肉の片面、塩胡椒。
両面、側面も小麦粉。
これは、天ぷら粉。
パリッと仕上げたい。
全卵1個を溶き、氷を一つ、二枚だけなので
量は十分、水はなし。パン粉も用意。
串を用意。串を刺して、卵、パン粉。
二枚衣付け。
油、180℃設定。
よい色まで揚がったら、出来上がり。
皿へ。
じゃがいもにはバターをのせる。
キャベツ千切りも。
とんかつにはとんかつソースだが、
牛カツには、ウスターソースでは、なかろうか。
ビールを開けて、切る。
火の通り具合はこんな感じ。
まあまあ、で、あろうか。
味は?。
どちらもうまいが、あえて決めるとすると、
ステーキでいつも食べている、国産牛の方が
肉にうまみが多いように感じる。
もう一方の特選黒毛和牛よりも。
まあこれ、値段通り、ということ?。
メークイーンというのは、男爵と違って
しっかりしており、煮ても煮崩れが少ない。
こうしてゆでてもほくほくというよりは
しっかり、ぷりっ。
これはこれで、もちろん、うまい。
ともあれ。
ビーフカツ、揚げ物欲は、十二分に満たされた。
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