断腸亭料理日記2023
4474号
12月25日(火)夕
さて。
内儀(かみ)さんとともに博多にやってきた。
二泊の予定。
主の目的は、本場のふぐを食べたい、と、
いうもの。
若い頃、出張で博多にきて一度くらい食べた記憶は
あるのだが、味はあまり覚えていない。
で、どうせなら二泊して、もつ鍋も、食べようと。
観光など他に目的はなく、食べるだけが目的。
もつ鍋ならどこか?。
一番よく聞くところを探してみると、
[やま中]。
博多のもつ鍋は、しょうゆ味が普通だが、
味噌味が看板という。
予約をしようとすると、直前でもあってか、
夕方16時しかあいていなかった。
ホテルは、渡辺通駅。
久しぶりにきた博多は、かなり寒かった。
最高気温が14時35分で、8.7℃。
天気も曇り。やはり日本海側は寒いのか。
[やま中]もなん店かあるが本店を取った。
最寄り駅は大橋というところだが、駅からも
遠そうなのでタクシーで向かう。
地方はどこもある程度そうだと思うが、
博多のタクシーの運転手さん、実に行き届いている。
店は進行方向と反対側であったのだが、メーターを
止めて、反対側にユーターンし、さらに駐車場の
中へ入り、店の玄関前にまで着けてくれた。
このホスピタリティー、まあ、東京では
考えられなかろう。
ともあれ。
本店は中州などの繁華街ではなく、ちょっと郊外の
街道沿いといったところ。
創業の場所から本店は移していないという。
[やま中]の創業は昭和59年(1984年)で、べら棒に
古いということでもないよう。
そもそも博多のもつ鍋というのはどういうものか。
歴史をさかのぼると、やはり、そう古いものではなく、
戦後で、昭和45年(1970年)から50年(1975年)
あたりのよう。
使うモツは、生の牛小腸、マルチョウ。
脂がプリプリとしているところ。
ニラ、キャベツなどが入り、にんにくなどが効いた
甘めのしょうゆ味で、ちょいピリカラ。
まあ、やはり庶民のものであろう。
コロナ中に冷凍のものを取り寄せたりしたが、
うまいものである。
噂通り、人気の店。
16時予約だが、16時から開けているといのも
ちょっと驚き。
表。
入って玄関。
ちょっと蔵造りのような白壁。
入り、あがる。
お嬢さんに名前をいって、奥へ。
板の間に掘りごたつのお膳。
ビール、キリンラガーをもらう。
お通しは、にらの
初めてなので、お嬢さんに説明を聞く。
もつ鍋は、看板のみそ味、博多では一般的なしょうゆ味
(一人前、2200円)しゃぶしゃぶ風(同)、それから、
みそとしょうゆ両方食べられる、食べ比べセット(2〜3人
向け、6480円)というのがある。
せっかくなので、看板のみそを二人前。
それから、博多なので、からしめんたい1200円も
もらってみる。。
からしめんたい。
かなり、でかい。
からしめんたいこの“こ”まで言わないのが、おもしろい。
野菜は、一番上がごぼう笹がき、にら、キャベツ。
白いこんにゃくも。
鍋きた。
電磁調理器のよう。
調理済みで、温かくなれば食べられる、とのこと。
味噌だが、白い。白味噌?。
あまめで、ピリ辛、にんにくも入っているようで
かなりパンチもある。
モツは、セオリー通り牛の小腸らしいが、くどくなく、
すっきりで、もちろん、プリプリ。
これは、いくらでも食べられる。止まらない。
止まらないので、野菜も食べねば。
やはり、このつゆがうまい、のである。
野菜もバクバクと食べてしまう。
噂通り、流石の味。
最後は、ここのお薦め、ちゃんぽんめん。
ちゃんぽん麺というのは、九州では定番なのであろうか、
文字通りちゃんぽん用の中華麺で、太い。
このみそのつゆとともに、やっぱりうまい。
このみそ味つゆが、なるほどかなりクセになる、
のである。他にはない、唯一のもの、なので
あろう。
そして、やっぱり、この値段。
安かろう。
うまかった。
大満足。
ご馳走様でした。
帰り、タクシーを呼んでほしいと頼んだら、
どうも、寒い中お嬢さんが道に出て、捕まえてくれたよう。
これもまた、頭が下がる。
福岡市南区向野2-2-12
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