断腸亭料理日記2023
4473号
12月19日(火)夜
さて。
引き続き、火曜日。
[尾張屋]から六区の西友にまわる。
夜は、なんにしよう。
寒いので、おでんはどうだろう。
昨年あたりから作り始めた、豚足を入れる
おでん。
味はしょうゆ味だが、沖縄のおでんは、豚足を
入れると聞いて始めた。
これがどうして、コラーゲンが出て、なかなか
うまいのである。
西友の肉売り場には、柔らかくした豚足の
パックがある。
それから、練り物など紀文のセット。
これに、つみれとすじ、ちくわぶ、
木綿豆腐あたりでよいか。
帰宅。
豚足。
セット。
単品で買ったたね。
木綿豆腐。
豚足と、ちくわぶだけが下煮。
昆布も切って二枚ほど。
水を張り、豚足とちくわぶを切って入れる。
ふたをして、加熱、加圧。
圧が上がったら、5分で、消火。
放置調理30分。
この間に玉子をゆでる。
三つ。
堅ゆでにし、皮をむいておく。
切らなければいけない、すじ、豆腐を切っておく。
30分。
鍋を開けてみる。
しょうゆを入れる。
ここに玉子も含めて種をすべて投入。
種のセットは、昆布、ボール、ごぼう巻き、
ちくわ、紀文なので魚河岸あげ、もち巾着、
はんぺん、こんにゃくなど。
煮立てて味見。
ちょっとしょうゆを追加。
今まで作っていた純東京風のしょうゆのみよりは、
ちょっと薄め。
15分ほど弱火で煮て、置いておく。
煮物というのは、冷める時に味が染みる。
ずっと弱火で煮る必要はなかろう。
食べる前に再加熱。
出来上がり。
多少色が付いたくらいで、まあ、もう少し染みた方が
よさそうだが、一先ずこれで食べてみるか。
今日は、せっかくなので、ビールではなく
酒。
正月用に、菊正宗の、小さい瓶がなん本か入っている
呑み比べセットのようなものを買った。
今日は、その中で樽酒。
菊正宗は、瓶詰だが、樽の香りを付けた
樽酒というものを以前から出している。
他のメーカーではあまり見ないのではなかろうか。
おそらく、菊正宗は伝統的に、東京での
売上がかなりの割合を占めているのではなかろうか。
そばやだったり、東京下町の老舗では菊正宗を
置いているところがかなりあるし、樽のまま
置いているところも今でもある。
樽の木の香りも、酒の味の一部と考える、
人も多い、のであろう。
確かに、うまい。
レンジで簡単にぬる燗にする。
方法は、直に徳利をレンジに入れるのは避け、
一合徳利に酒を入れたものを、徳利の2/3ほど
すっぽりと入る中国茶の湯呑に湯を張り、
レンジへ。
これで、数十秒でOK。
食卓にこのまま置いておいても冷めにくい。
おでん、一皿目。
すじ、ちくわぶ、つみれ。
もう少し染みた方がよいし、豚足ももっと煮込まれて
コラーゲンが溶けだした方がうまいが、まあ、上々。
すじ、ちくわぶは、東京オリジナルの種
といってよいのであろう。
玉子、豆腐、ちくわ、魚河岸あげ。
魚河岸あげというのは、卵が入っているのか
黄色く、ふんわりとした揚げ物。
前に調べたが、こうしてつゆで煮込んだ
現代のおでんというのは、おそらくそう古くはない。
おそらく明治の終わりの頃。
それ以前というのは、文字通り田楽と呼ばれた
温めたり焼いたりした豆腐や、こんにゃく、
里芋などに味噌を塗って食べるもの。
豆腐、こんにゃくなど田楽起源の種に練り物が
加えられている。
ちくわ、さつま揚げ、はんぺんなど、それ以前、
江戸期からあって、おそらく煮物にもしていた
と思われる。つまり、別の料理として。
なにが言いたいのかというと、田楽をつゆで煮込んだ
だけでなく、練り物の煮込みと合体したと考える
べき、なのではなかろうか。
しかし、なぜ?。これ、気になってくる。
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