断腸亭料理日記2023

ミラノ風カツレツ

4465号

12月7日(木)夜

さて。
冷蔵庫に、豚ロースが一枚残っている。
塩胡椒だけで一枚食べたのだが、
どうしようか。
簡単だが、私は塩胡椒のみがうまいと、
思っている。

思い付いたのは、ミラノ風カツレツ

日本のとんかつというものは、
いわゆる洋食、イタリアンやフレンチノの
カツレツ=cutletがアレンジされたものだが、
かなり、独特の進化をしている。
パン粉を付けて油で揚げたのは同じだが、
とんかつのプロのものは、その技は素晴らしく、
もはや和食といってよいだろう。

ミラノ風カツレツのとんかつとの違いは、
肉を叩いて薄くすること。
日本のとんかつは、衣は小麦粉も入り
比較的厚いのに対して、卵黄で衣は薄い。
それから、揚げ方も日本のとんかつは
たっぷりの油(ラード)で揚げるが、
比較的少なめの油(オリーブオイル)で
揚げ焼きに近い。こんなことろであろうか。

薄くする最大の利点は火の通りが早いこと。
ぶ厚い豚ロースは最もうまいのだが、もちろんのこと、
塩梅よく中まで火を通すにはプロ中のプロの
技術が必要。素人ではとても無理。
(まあ、ぶ厚いロースなど一般には売っていないが。)
また、衣が薄いと軽い食感になること。
揚げ焼きのよさは、火も通しやすいし、少量の
油なので、処理も簡単であること。

煎じ詰めると、ミラノ風カツレツの方が、
もしかすると、簡単かもしれぬ、とも思えてくる。
日本人なので、日本風のとんかつに慣れているが、
よくよく考えるとそういうことになるかもしれぬ。

と、いうことで、ミラノ風カツレツに決定。

特に、付け合わせは考えない。

作る。

周囲の脂身に縦に切り込みを入れてみる。

よくとんかつや、ポークソテーを作る場合に
筋や脂身に包丁の刃を入れるというのがセオリーに
なっている。
これ、私は、納得できないのでやっていない、
のである。
理由が、はっきり説明されていないことが
多いのである。

反り防止なのか?。
脂身と肉では縮み方に差があり、同時に同じように
熱がかかると、反る。
これは、サイエンティフィックにわかる。
だが、揚げる場合は別だが、フライパンで焼く場合は
フライパンを傾けて脂身と肉と分けて熱を
掛けることができる。こうすれば、反ることはない。
揚げる場合も、目立つほど反るということも
あまりないのではなかろうか。
また、多少反ったとしても衣がはがれるまでは
いかず、問題には感じない。

で、今回は意図が違う。
叩くわけだが、なん回かやっているうちに、
脂身は叩いても伸びないことがわかってきた。
脂身が伸びないと肉は一度伸びても戻ってしまう。
そこで、肉が伸びやすいように脂身に切り込みを
入れようと考えたのである。

これをラップではさんで、

丈夫な重いガラス瓶で叩く。

やはり、ある一定以上は伸びない。
このあたりが、限界のようだが、このくらい伸ばせば、まあよいかな。

両面塩胡椒。

両面小麦粉(天ぷら粉)を振る。
作業はずっと、このラップの上。

卵黄のみ二個を分ける、まず片面にスプーンで塗る。

ここにパン粉、細かいもの。
しっかり押し付ける。

ひっくり返し、反対側にも卵黄を塗り、パン粉。

衣付け終了。

フライパンにオリーブオイル。
ひたひたよりも少ない量でよいだろう。

上から熱くなったオイルをスプーンで掛ける。

よい色になったら、ひっくり返す。
叩いているので火の通りを心配することもない。

揚げあがり。

残った白身はもう一つ分冷蔵庫にあったので
三つ分で焼くことにした。
衣用の卵黄も少し残ったので、一緒に焼く。

白身焼き。目玉焼きの目玉なし。
意外に、私これ、好き。ケチャップだけかけて食べる。
最近、納豆に全卵を入れない方がよいというので
白身を残すので、白身だけよく余らせるのである。

出来上がり。

白身焼きは下に敷いて、ケチャップのみ。
あんまり美しくはないが。
ビールを開けて、切る。

切り口。

白身焼きも含めてケチャップでOK。
味は?。サクサクに揚がった。上々。

もう一点、とんかつより簡単なのか。
ラップを使って衣付けをするので、洗い物が
少なくなる、、か。
なかなかよいのでは、なかろうか。

 

 

 

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