断腸亭料理日記2023
4402号
引き続き、田原町の焼鳥やの[鳥なお]。
胸肉、砂肝、ハツ(心臓)ときて、
次は、肝、といって出された。
まあ、レバー。
上には粉の青山椒がまぶされている。
とにかく柔らかい、絶妙な焼き加減なのだが、
通常の、うまいといわれる焼鳥やよりも、
さらに柔らかいと思われる。
ただ、血がしたたる、生、というのではない。
半生。ほかほか、の。
そして、これはたれ。
通常の、べっとり甘い焼き鳥のたれではない。
どうしているのか。
薄いのだと思うのだが、物足りなさは感じない。
私など、自分でも焼き鳥のたれを作っているが、
本来は、ノーマルなベトベトに甘いもので、
そういうものだと思ってきたが。
濃ければ、誤魔化せる、ということかもしれぬ。
そういえば、ここからも近いが、うなぎの[色川]の
先代の名物お父っぁんが言っていた。あそこでも
焼鳥が頼めるのだが、必ず塩で出てくる。
この時、自慢げにお父っぁんが、たれだと誤魔化せる
からね、と言っていた。
次は、箸休め。
これは、梨と大根の膾(なます)という。
小皿を含めて、この美しさ。
上にちょこなんとのっている青みは、青ねぎか。
細く斜めに切ってあるよう。
大根は細い短冊状だが、ごく薄い。
梨はおろして中に。
水分が多い瑞々しい。そして、ほんのり、あまい。
気持ち梨の酸味もあるか。
和食では梨と大根を合わせるものがあるのかもしれぬ。
きちんとした和食の修行をされた方の仕事のように
感じられる。
次は、これ。
これもいつも出るが、もも、なのだが、内もも。
これも薄いたれ、か。
もも肉を一枚で買うと、皮と反対側にぽつんと
独立してある球形の肉。
それ。
ぷりぷり、しこしこ。
これだけ、取り出して一本にする、というのは
珍しかろう。
次は、これ。
内、ではなく、外、もも。
まあ、もも肉。
大き目に切っている。
はさんであるのは、ねぎと、しし唐。
これも、薄いたれ。
皮も残してあり、脂もあり。
なかなかの食べ応え。
次は?。
お!。
蓮根。
野菜も焼き物として出てくる。
茨城、土浦の新蓮根とのこと。
確かに、スーパーの野菜売り場に新ものが出ていた。
この時期は、シャキシャキ、と。
よい歯応え。
塩だけ、だとおもうが、流石のうまさ。
さて、スペシャリテ、といってよいだろう。
つくねと、きんかん。
そして、以前はなかったと思うが、
うずらの玉子も。
球体が一つ増え、なんとなく、取り合わせが
おもしろい。
毎度書いているが、このキンカンはすごい。
卵黄になる前の卵。
あまり小売りされていないが、売っていると
もっとモツの味に近いのである。
それはそれで、うまいのだが、これは限りなく
玉子の卵黄に近い。
プチっとした歯応えがある程度の違いではなかろうか。
なにが違うのか。鮮度、であろうか。
そろそろ、お仕舞。
お新香。
青菜は、小松菜、とのこと。
シャキシャキとよい歯応え。
小松菜をシャキシャキに漬ける、
というのはどうするのであろうか。
まったく経験もないが。
白いのは、水茄子。
水茄子というもの、大阪泉州、のものだが、
最近は東京でも出回るようになった。
水を大量に含み、皮も柔らかいのだが、
はっきりいうと、それ以上でもそれ以下でもない。
慣れてしまうと、これだけでは、驚けない。
上にのっているのが、ポイント。
しょうゆを含ませた、おろし生姜とのこと。
ひょっとすると、ただのしょうゆではなく、出汁
も入っていそう。
水茄子とよい相性。よりパワーアップさせている。
これも、流石。
最後。
鶏スープに小さな焼きおにぎり。
この大きさが、上品。
ほんの少しでも、ご飯が食べたいもの。
以上。
会計は、酒込みで二人で14,000円程度であったか。
うまかった。
ご馳走様でした。
050-5593-4854
台東区雷門1-5-9 いさよビル 1F
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