断腸亭料理日記2023
4401号
8月26日(土)夜
さて、土曜日。
60歳の誕生日、で、ある。
還暦、ということだが、まあ、最近はあまり感慨と
いうものはわかなくなった。
一昨年、あたりまでは、還暦になったらどんなものか、
と、考えていたが、今の時代、60歳にあまり意味は
ないのでは、と思うようになった。
ここから老人?。
自ら年寄、という意識もないし、私は既に退職しているが、
実際に働いている人々もほとんどであろうし。
人生百年時代、などというが、それは言いすぎ。
私などはそこまで生きるとは到底思えない。
だが、そうはいっても今、オフィシャルにも
高齢者は65歳から、75歳から後期高齢者というが、
“老人”というと、そのあたりからであろう。
まあ、今、お蔭様で私はストレスもほぼない。
無理をするということもまったくない。
従って、身体は健康。
ゲームをするので、目の疲れ、衰えは否定しようが
ない。だが、これは致し方ないか。
元々、特に激しい運動をするような日常でもないが、
自転車だが、外へは出るし、歩いてもいる。
こうして、食い物のことを書いて、ラーメンばかり
食べているので、太っていると思われる方も
おられるかもしれぬ。しかし、今、動いていない分、
一日二食で、夜は特に糖分、炭水化物はできるだけ
控え、全体としてある程度コントロールしている。
痩せてはいないが、まあ、中肉の範囲には入ると
思っている。
むろん自分で料理もするし、洗濯は好きだし、
きれい好きではないが掃除も毎日している。
人並の日常ではあると思っている。
幸運なことに、借金はないし、こんな毎日だが、
金銭的には不自由はしていない。
子供がいないのは寂しいことではあるが、
お金は掛からない。
いろんな意味で、自由。したい時に、したいことを
自由にできる。したくないことはしない。
どこかに所属していなければ不安という人も
あるかもしれぬが、それもまったくない。
なにかに焦ることもない。
これを幸せというのであろうと思っている。
年を取ったら、もうよいであろう。
それが正直な気持ちである。
そんな私ではあるが、引き続きこの文章に
お付き合いをいただければ、ありがたい。
ともあれ。
今日は、浅草田原町の焼鳥や[鳥なお]。
ミシュランピブグルマン掲載店。
前回は6月であった。
今日は内儀(かみ)さんが予約をしていた。
今、やっぱり予約は取りずらいよう。
17時から。
暖簾が出ていない。開くのを待って、
17時ぴったりに入る。
最初だからか、カウンターの一番奥。
瓶ビール、サッポロ、をもらう。
ここはおまかせ、5500円のみ。
一品目。
冷汁、と。
お、酒粕の味と香り。
めずらしい。
聞くと、オリジナルの日本酒を蔵元に造ってもらって
いるというが、そこの酒粕という。
冷汁というのは、以前は凝ってよく作っていたが
ここのところ、まったくご無沙汰。
むろん、真夏、酷暑の頃に作るのだが、手間が
以外に掛かる。
魚の干物、きゅうり、豆腐も必要。
あたり胡麻、胡麻ペースト。
そして、なにより冷たく冷やさなければいけない。
酷暑にこれだけやるのは、もうできない。
これは、なすも入っている。
魚ではなく、焼鳥やなので、ほぐした鶏肉。
むろん、鰹なのか、なにかで濃厚に出汁を取っている
のであろう。
キンキンに冷たく、かなりうまい。
こういう一品料理が、この店の本領。
ただのうまい焼鳥や、では断じてない。
流石である。
もう一品、前菜的なもの。
枝豆。
焦げ目がある。焼いているのである。
ただ、しっとり。
焼いてから、塩水に漬けているのか。
ここから、焼鳥。
まず、胸肉。
塩で、わさびをのせている。
基本、ここの焼鳥は、しっとり、なのである。
胸なので、脂もなくすぐに硬くなる。
まったく、そんなことはない。
絶妙な火の入れ具合。
そして、これ。
砂肝。
砂肝というのは、もちろんご存知のように、
堅いわけだが、それがコリコリではあるが、
ほどよく柔らかい。
驚くべき技、で、ある。
次は、ハツ。
いつも出るが、心臓。
なぜか、スーパーの鶏レバーのパックに
必ず入っている。
皆さんも気付かず食べているかもしれぬ。
もともと、柔らかく、脂がある。
ただやっぱり、血の味が強いもの。
それがまったくない。
やはり技、なのであろう。
つづく
050-5593-4854
台東区雷門1-5-9 いさよビル 1F
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