断腸亭料理日記2022
4191号
さて、引き続き、浅草田原町のミシュランピブグルマン
焼鳥の[鳥なお]。
田原町という町名は今はなく銀座線の駅名で雷門一丁目だが、江戸からの
町名であった。
江戸の地図。
これは嘉永3年(1850年)近江屋吾平板の切絵図。
ペリー来航の3年前。幕末である。
切絵図というのは、江戸の区分図のこと。江戸中、
くまなくなん枚にも分けて、出版されていたのである。
現代も。
だいたいおわかりになるであろう。
町域は意外に広く、西は今の国際通り、北は
雷門通りの北側から南は浅草通りを渡ったところまで。
東は今の田原小学校の東の通りまで。
このあたり、道の幅は広くなっているが町割りは
江戸期から大きくは変わっていないように見える。
江戸以前、ここは田圃でこれが町名の由来のよう。
まあ、なんということはない。
また浅草周辺は多く浅草寺領でここもその例。
(「江戸明治東京重ね地図」)
閑話休題。
昨日は、料理二品、焼鳥四本まで。
次は、焼鳥。
が、なんであったろう、これ。
あー、残念、忘れてしまった。
焦げ目がしっかり付き、塩で、おろしがのっている。
やっぱり、焦げ目が付いているが、柔らかかったと思う。
レア部位であったか。
次は、これ。
まあ、これは見た通り。
ねぎま。
ししとうも刺されている。
薄いたれ。
これも比較的強い焦げ目が付けられている。
さて、次はこれ。
なんだと思われようか。
唐辛子で真っ赤になった激辛つくね?
いや、まさか。
焼いたミニトマト、で、ある。
ご主人の後ろ、ちょうど我々の目の前に最初から
銀杏の串と並んで置かれていたので、気になっていた。
(銀杏の串は出なかったのだが。)
これ、焼き方を見ていたが手が込んでいる。
最初は皮付きのまま焼く。
トマトというのは湯むき、などもそうだが、
加熱すると、皮がむけてくる。
焼いても、皮がむけてくる。これを一つ一つ
串に刺したまま丁寧にむいていた。
トマトを焼くというのは、最近焼鳥やや、焼きとんやで
出すようになっており、もはや定番。
最初はちょっと驚いたが、甘く、柔らかく、温かい。
うまいもんである。
さて、そろそろ終盤。
メインイベント、トリの真打。
ここのスペシャリテといってよいだろう。
つくね、とキンカン。
つくねはホッカホカ、で、うまい。
キンカンというのは玉子になる前の母鶏もの。
スーパーなどにはほぼ並ばないが、鶏肉専門店には
置いている場合がある。
軍鶏鍋に入れて食べたことがある。
味は、モツと卵黄の中間ぐらいといってよいようなもの。
が、ここのキンカンはそれよりも、もっと卵黄に
近い味。つまりクセがない。
こういうキンカンもあるのか。
きっとなんらか特別に入手しているのであろう。
で、これ、ほんのり温かいくらいで、火は通っていない
に近いのではなかろうか。
噛むと口の中でプチっと弾ける。
デザートといってよいか。
口直しのお新香といってよいのか。
柿と長芋の浅漬けといっていたか。
かかっているのは削り節。
柿は、かなり熟しているようで、トロっと
している。
長芋はシャキシャキ。
最後は、ご飯。
おにぎりか、茶漬けを選べる。
茶漬け。
鶏のスープに入っているのは焼いたおにぎり。
このおにぎりも、ご主人の後ろ、我々の目の前に
スタンバっていた。表面を乾かしておく意図、なので
あろう。
これで終了。
私には、かなりの腹一杯。
会計は、コースが5300円。これにビール二本に
レモンサワー一杯。
やっぱり安かろう。
固定されたメニューもあるが、毎回、季節も
かわり、出るものもかわっている。
どれもうまいのはもちろん、驚かされるし、
お洒落でもある。
うまかった。
ご馳走様でした。
050-5593-4854
台東区雷門1-5-9 いさよビル 1F
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