断腸亭料理日記2022
4114号
6月25日(土)夜
さて、浅草弁天山[美家古寿司]。
前回は4月。
数日前に内儀(かみ)さんが予約。
カウンターは取れず、テーブル。
18時から。
今日は暑かった。
東京の最高気温が35℃。猛暑日。
先日、雨で寒いよりも暑い方がよいと書いたが、
こう急に暑くなると、さすがに驚く。
もう梅雨明け、で、あろう。
空梅雨?。米は大丈夫であろうか。
ともあれ。ちょうどに到着。
親方、若親方に挨拶をして、一番奥のテーブルへ。
テーブルのことも多いのだが、
是非ともカウンターがよいか、と聞かれれば
あまりかまわなくなってきた。
もう、長くきているのである程度この店のことは
わかっているというのは、大きい。
ただ、基本、コースではなく、好みで頼むため、
あれがあるか、ないかを聞くのに、多少時間がかかる
というのは難点ではあるが。
まあ、もちろん、外の店員さんもいやな顔せず、
聞いてくれるのではあるが。
まずは、ビール。
キリンラガーの瓶。
お通しはまぐろの佃煮。
さて、つまみ。
酒の肴としては、煮だこが食べたい。
やはり江戸前仕事のたこは別格。
聞くと、なし。
なにか、いつもないような、、。
高いのであろうか。
代わりに、煮いかと、鰹。
きた。
煮いかは、ここはするめいかと決まっている。
いつも気を使っていただいて、申し訳ない。
煮いかよりも多い量のいか下足、エンペラを出して
いただいた。
こちらは、甘いたれ。
どちらも柔らかく拵えられている。
鰹用におろし生姜と、辛子。
鰹は今、時期で魚やでもそこそこ安いがやはり、
プロの目と技術で造られたものでなければ
いけなかろう。
やはり、足の速い魚なのである。
みずみずしく、しっとり。
脂も多少あるよう。
これで、にぎり。
白身といか。
平目昆布〆、すみいか、鯛。
すみいかをご覧いただきたい。
かなりの厚み。この時期のすみいかは大きく、
このくらいなる。多少の歯応え。
大きく堅いので使わなくなる江戸前鮨やも多いのだが、
ここは、頑固にすみいかで通す。
これも見識であろう。
平目は昆布の香りがよい。
鯛は皮を残して、湯引きであろうか。
包丁目も入っているよう。
ここ、種の切り方が、どれも比較的厚め、
かもしれない。
次は、光物。
左上から時計回りに鯵、縞鯵、小肌、きす。
鯵は酢洗いか。
縞鯵は生。食感とうま味がよい。
小肌もよい塩梅。
きす。もちろん、酢〆。
江戸前の種であるが、一般にはほとんど見なかろう。
もう長年私は食べているが、欠かせないものである。
個性は強くないが、さっぱりとうまい。
海老とまぐろづけ。
美しいものである。
特に海老。
頭側の先端は安いものだと、スパッと切り落として
しまうが、きれいに頭から抜いてあるのか。
これが残っているのといないのと、大きな違い
なのではなかろうか。
海老は例によって、内儀さんの希望でおぼろを
はさんでもらった。
江戸前仕事の軽い甘酢漬けであるが、おぼろに
よく合う。
ヅケは通常の赤身。後で気付いたが、中とろの
ヅケもあったかもしれぬ。前回食べていた。
これがテーブル席の難点である。
さて、そろそろ、終盤。
干瓢巻、わさび入り。
これもいつもの決まり。
ここの干瓢の味付けはやはり濃いめ、かもしれない。
やはり、昔の味か。
最後は、内儀さん。
玉子とおぼろ。
無造作に皿にのせているようだが、そうでもない。
まず、玉子は同じ形に斜めに切られ、計算して
並べられている。
そこに一さじ、二さじのおぼろ。
しっとりしたおぼろ。
この玉子焼きもおぼろも、江戸前鮨の重要な役者。
弁天山[美家古寿司]のしめくくりとしては、
適切であろう。
今日も、うまかった。
勘定は二人で20,570円也。
ご馳走様でした。
台東区浅草2-1-16
03-3844-0034
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