断腸亭料理日記2022

稲荷町・中国意境菜・白燕 その2

4227号

引き続き、稲荷町中国意境菜[白燕]。

りんごあめ、前菜三種、点心水餃子、青菜炒め、
牛肉のヤンニョム風まで。

次は、スープ。

ここでは定番である。

豚ばら先軟骨が主の薬膳スープ。
今日は、ごぼう、生姜と乾燥長芋。

ばら先軟骨、排骨は軟骨も食べられる柔らかさ。

これ、どうしているのであろうか。
蒸していると思われるのだが。
中華で煮ものなどを蒸して作るという手法がある。
長時間かけて柔らかくする。
鍋を直接火にかけて長時間煮ると、煮詰まる。
これは回避できる。
あるいは、熱のかかり方が違って、より柔らかくなる?
わからぬが、別の効果もあるのかもしれぬ。

一つ一つの器ごと蒸し器、蒸籠などに入れて、
蒸しているのであろうか。
それとも、ある程度大きな器で作り、この器に移し、
仕上げているのか。
いずれにしても手間が掛かろう。

滋味深い味、で、ある。

次はこれ。

見た通り、麻婆豆腐。

ここのランチでは定番の一つのメニュー。
これも看板といってもよいものかもしれぬ。

ご主人は、北京、香港で修行されたというが、
北京料理がベースのフィールドなのか。
使われている鍋は、取っ手が両方に付いた北京鍋である。

だが、書いている通り料理はかなり幅広い。
北京、広東はもちろん、台湾、東南アジアなどなど
まで出てくる。

炒めものだと、大きな乾燥唐辛子を一緒に炒めた
四川風と思われるものもよく出る。
これも手慣れているのではなかろうか。

この麻婆豆腐は、今の東京の四川系の麻婆豆腐の
標準と思われる味に最も近い近いのではなかろうか。

唐辛子系、ラー油系の辛味は強すぎない。
花椒はまぶされているのが見てわかるが、鮮烈に強め。

ベースの味、豆チ系の味噌の味はあるが強くもなく、
弱くもなくノーマルといってよいか。
あまみは抑えめかもしれぬ。

しめて、今の東京の四川系麻婆豆腐として
とてもバランスの取れたうまい麻婆豆腐であろう。

さて、そろそろ終盤。

これ。

なんだかおわかりになろうか。

ふかひれあんかけご飯、で、ある。

そう、今は、上海蟹のコースもあるが、
ふかひれのコースもあった。
そのおすそ分けか?。

ふかひれ姿煮というと、中華料理の最高峰?。
もちろん、価格的に。
残念ながら、姿煮は私は、食べたことはない。
せいぜい、ふかひれをほぐしたスープ。
それでも、若い頃、最初に食べた時には、
かなり驚き、感動した憶えがある。

ふかひれ自体には味はあまりなく、コラーゲンの
食感なのであろう。
姿煮でなくとも、存在感がある程度にほぐれたものは
うまいものである。

ご飯と、ちょっとあまめの餡、ふかひれの
つるつるとした食感と喉ごし。
うまいもんである。

そして、ジャスミン茶とともに、デザート。

定番の杏仁豆腐。

が、お分かりになろうか、なにかのっている。

これは、無花果(いちじく)。
杏仁豆腐はいろんなフルーツと合わせることは
あるのであろう。
なんでも合いそう。缶詰などよくあるか。

無花果というのは、お洒落である。
むろんよく合う。

うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

これから、ご主人、シェフはどこへいくのか。
この店自体、再開されるのか。

わからぬが。
これから、どんな料理人人生を歩まれていくのか。
腕はもちろん、チャレンジングで、
どこか、ぶっ飛んだところもありそうでもある。
愉しみ、にしよう。

 


白燕

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台東区元浅草2−7−10
オルタンシアIV 2F

 

 

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