断腸亭料理日記2022
4226号
12月10日(土)夜
土曜日。
今日は久しぶりにご近所、元浅草二丁目、
稲荷町の駅も近い、清洲橋通り沿いの[白燕]。
新進気鋭の中華の料理人が営む。
JR東日本の豪華寝台「四季島」の中華担当を
されていたのも、一先ず終わったよう。
それを機に、この店も年内で一旦休みに入るとのこと。
ここに店を開かれたのが、3年前。
ちょうどコロナが始まった春。
開店から半年後あたりから、噂を聞いてくるようになった。
以来、なん度も訪れている。
作るものはいつも新しい。
こんな近所で、経験できるのは僥倖というべきであろう。
だが、こんな時期、種々、たいへんであったのははた目にも
よくわかったが、それでも「四季島」だったり新しいことに
果敢に挑まれてきた。バイタリティーにもあふれている。
ともあれ、休業とは、なかなか自由な方、、
なのかもしれぬ。
休んで、なにをされるのか。
今日は、19時からの先方からの指定。
内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、5分程。
19時ちょうどに到着。
入り、ご主人に挨拶。
入ったところのテーブルへ。
今日は、ワンオペではなく、女性が一人。
この時期は、中華では上海蟹で、薦められたのだが
私、上海蟹はもう一つ得意ではない。
なぜであろうか。
元来、蟹というのは全般、世間の皆さんが騒ぐほど、
私は騒げない。むろん、うまいとは思うが
なにをおしても食べたいとまでは思わない。
また、上海蟹は、ものや料理法にもよろうが、
生ぐさいのである。上海蟹は身を食べるよりは
ミソであろう。
あれが、もう一つ、なのである。
ともあれ、今日もいつも通りノーマルな
おまかせコース、6,600円也。
ビールはスーパードライ。
まずは、これ。
いつも通り、りんごあめ。
楊枝に刺さった、赤い玉。
玉の直径は1cmほど。赤いのは甘酸っぱいゼリーで
中にはスモークしたフォアグラ。中心にくるみ。
他にあるのか私はしらぬ。スペシャリテと
いってよいだろう、ご主人のご挨拶。
次は、いつも通り丸い回転する台にのった、
三つの前菜の小鉢。
なのだが、写真を撮り忘れてしまった。
嗚呼。
で、お店のFacebookページから近い写真を
お借りした。
左の一品が違っているが上、右は、この通り。
上もこの店の定番、よだれ鶏。
甘辛、ピリッと濃厚のたれ。
このたれがとにかくうまい、のである。
いつも、ないが入っているのか考えながら食べる。
家で再現してみたいのである。
しょうゆ、しょうゆはちょっと甘い中国しょうゆ?。
ラー油、紹興酒、、酢?は入っているように思うが、
そんな簡単なものではないのだろう。
まあ、私の味覚経験と知識では、到底わからない。
右下が、魚なのだが、鰆(さわら)。
一口で食べて下さい、と。
クリーム色のソースは練り胡麻。
緑色のものは、バジルのソース。
お得意のマレーシアあたりの味、なので、あろうか。
魚に合っているのか、いないのか。
これまた、判別しずらい、不思議な味。
写真にないが左の小鉢は、里芋とねぎの上海家庭料理、
とのこと。
里芋をつぶした練った感じのもの。
薄い塩味で、素朴だが、これも不思議な料理。
次は、点心。
これもいつもの定番。水餃子。
先の、よだれ鶏のたれで食べる。
皮は厚めで、もちもち。
にらが多いのが特徴。
青菜。
見た目から、ターサイかと思ったら、ちぢみほうれん草。
唐辛子入り。
にんにくも入っている。
炒めているのか、ゆでているのか、両方か。
中華料理の超定番であり、基本の、青菜炒め。
メニューになくとも、どこの中華料理店でも出す。
しゃきっとした歯応えを残し、火を通す。
むろん、水が出てくるようではいけなかろう。
この塩梅が絶妙である。
腕のある、中華料理人であれば、当然であろうが。
牛肉と揚げ長芋炒め。
上にのっているのは、見た通りししとう。
マレーシアのニョニャム料理という。
甘辛。
甘辛で牛肉は柔らかい。
もしかすると黒毛和牛かもしれぬ。
長芋は和食では、おろしてとろろ、生を長く切る、
あたりが定番で、こういう調理法はしない。
通しすぎるといけなかろうが、火をある程度通すと
サクッとした食感が残り、おもしろい。
つづく
台東区元浅草2−7−10
オルタンシアIV 2F
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