断腸亭料理日記2022
4160号
8月26日(金)第一食
末広町というのか、秋葉原の[ベンガル]
というカレーやをご存知であろうか。
さるTVで取り上げていた。
以前は、近くだが九州ラーメンの[じゃんがら]にあって
創業昭和48年(1973年)という。
私が10歳の頃。当時は知らないが。
カレーといってもスタンドカレーではなく、
インドカレー、今風に言うスパイスカレー。
当時から同じようなカレーであったのかどうか
わからないが、もしそうなら、かなり先駆的な
カレー店であったのではなかろうか。
私は社会人になってからだと思うので、
30年数年前から知っている。
その頃は既にインドカレーといってよいカレーで
あったとは思う。
ただ、数回食べたと思うが、味はあまり記憶に
残っていない。
ピンとこなかったのかもしれない。
当時はそうそう秋葉原にくるということも
なく、次第に存在を忘れていったのだと思う。
今は、神田明神下・湯島天神下の通り沿いに
移転しているよう。
TVの内容はカレーマニアの若い人の案内
であったのだが、そんな印象であったのでもうひとつ
ピンとこなかった。
ただ、末広町であれば、私の自転車で徘徊している範囲。
検証しなければ、いけなかろう。
店の前もなん度も通りすぎているが、やはり印象には
残っていない。
ともあれ、改めて、行ってみよう。
今の住所は外神田三丁目である。
今の地図
旧町だと末広町。
このあたりの明治の地図(明治40年(1907年))
(ベンガルの場所あたりと思われるところに星印を入れた。)
末広町というのは、むろん銀座線の駅名だが、
実際の旧末広町は、末広町駅の交差点南西の
ワンブロックであった。
ちなみにその前、旧幕時代は、明神下の通りが
今は広くなっているが、町割りは大きくは変わっていない
といってよさそうである。
江戸の地図
末広町は江戸の地図には影も形もなく
明治になって付けられた町名。
明神下、西側、神田明神の崖下が神田同朋町で町屋。
その東側は当時下谷御成街道といっていた今の中央通りが
上野寛永寺に向かう表通りで普代名門の大名屋敷だが、
裏側のこちらは中小の旗本屋敷。町屋と武家屋敷が
入り混じった区域であったよう。
さて。
曇り空で時折雨模様。
蒸し暑い。
13時半頃到着。
今の店はちょっとした、カフェ風。
TVでやったすぐ後だが、空席あり。
テーブル上。
ガラムマサラやらスパイス類、福神漬けアチャールなど。
ここの看板はビーフ角切りカレー、1,100円也。
おぼろげながら、昔食べた記憶がある。
やはりこれを食べねば。
それから玉子のアチャールという煮玉子の
カレー版がある。これも食べてみよう。
きた。
カレーは
やはりシャバシャバ系。インドカレーらしい見た目。
ご飯はパラパラに堅めに炊かれ、かなりよい。
ただ、カレーソースは辛めを選んだが、辛いという
ほどではない。
酸味が比較的強めでなにかのスパイスが立っている
感じはせず、バランスの取れたもの。
ただ、前に印象に残らなかったと書いたが、やはり
なにか物足らない印象。
ビーフの角切りは、でかくてほろほろ。
これはgood。
玉子。
カレー味は玉子に染みにくいと思われるが、
なかなかよくできている。
さて。8/29、他のものも食べておこうとまたきてみた。
今日は、1,100円也のランチプレート。
日替わりカレー二品とサラダ、玉子、ラッシー付き。
カレーは野菜カレーと、チキンカレー。
チキンの方はココナッツミルクが入っているか。
野菜の方は、もしかすると、前回の角切りに
近いのか。
辛さはどちらも抑えめ。
全体を通して、スパイスを突出させるのがインドカレー・
スパイスカレーのセオリーだと思うのであるが、
どれもバランスが取られているといってよい。
おとなしい、というのか。物足りないという人も
あるかもしれない。
だが意外にこういうインドカレー・スパイスカレーも
あり、なのではなかろうか。
食べ飽きない。
50年の歴史、で、あろう。
メニューの種類はまだまだある。
そう遠くもないので、またこよう。
050-5456-1619
千代田区外神田3-6-1 丸山ビル 1F
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